表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 三の章
54/199

稚知謀大 肆 その2

 速水颯太の事件後、(あふ)れかえったエレクトリック・ゴーストは動物園にも出た。


 当然の話しだ。


 始まりは、小さな憑依系のエレクトリック・ゴースト。

 ()()()が、蟻に取り憑いた。

 共喰いと同化を繰り返し、やがて地面に降り立った鳩に取り憑き一体化した。


 それが園内の動物を、次々と捕食し始める。

 肉体的に、ではなく、(たましい)的に、だ。


 空っぽの肉の(うつわ)になった亡骸(なきがら)に、低級のエレクトリック・ゴーストが入り込むのは容易(たやす)い。


 結果、園内は動物の姿をしたエレクトリック・ゴーストが溢れ、共に喰い合い、強大化したり複合化したりして、(いびつ)な精神生命体を生み出すことになった。


 モンスター。


 その呼び名に相応しい生命体が、動物園内に誕生し始める。

 こうなると、やってみたくなる事がある。


 モンスターを、狩る。


 その行為自体に興奮し、仲間を集う。

 成りたてのEG使いがやりそうなこと。

 そして、合言葉が流行る。

 成りたてのEG使いが言いそうなこと。


 「ひと狩り行こうぜ!」


 これを腕試しと、名前を売りたいEG使いたちがエレクトリック・ゴーストを狩る目的で動物園内に入って行った。


 、、、行くが、帰って来たものは居ない。


 入ったEG使いの数は、15人。

 15人入って、帰って来れた者は一人も居ない。


 これはヤバい。

 確実にヤバい。


 動物園のモンスターは、一体化を好む。

 つまりこれは、人間の知識レベルを持ったモンスターの誕生を意味する。


 ヤバい現実。


 だが不思議な事に、何故(なぜ)か動物園のエレクトリック・ゴーストは園内から出ない。

 何でだろう?

 解らないが、これが救いだった。


 同種の波動を引き付け合う。

 人と同じで、確かにEG波でもその現象は有り得る。

 有り得るが、まさかそれだけの理由とは考え(にく)い。

 考え難いが、あまり考え事えをしたくない結界内のEG使いの間では『そういうもんだろう』と勝手に納得した。


 彼らの結論、、、。

 動物園からエレクトリック・ゴーストが出ない、二つの理由。


 ひとつめ。

 動物園内では複合化し凶暴化したエレクトリック・ゴーストが、互いが互いを喰い合う超弱肉強食フィールドと化した。

 だから最後の一匹になるまで、動物園内からは出ない。

 それが定説となっていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ