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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 三の章
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稚知謀大 参 その5

 そんな気持ちを隠して、話しを続ける。


 「普段道を歩いているとな、嫌な事に遭遇したとする。例えば、、、そやな、ガムを踏んだとしよか」

 「汚っ」

 「汚いな。でも大した事は無い。大した事の無い、そんな小さな事でもまたそこに来たら、『あ、ここでガム踏んだな』っていう“嫌な気持ち”が記憶として頭をよぎりよる」

 「あるな」

 「それは脳が“嫌な気持ち”を思い出すのと同時に、その嫌な()()()()()っちゅうこっちゃ」

 「波長、、、悪くなるってこと?」

 「う~ん、、、使い手から言うと波長自体に()()しは()ぅて、どう言うたら()えんやろ、長いか短いか、でも無いんやけど、、、理解しやすかったらそれでもええわ」

 「ほんでほんで?」

 「話しの続きな、そこを通るとガムを踏む、“嫌な気持ち”やな、それを()()()()いきよる。そこへ別の人間がたまたま通り掛かり、何もないのにふと、朝、上司に怒られた事を思い出してしまい“嫌な気持ち”になる。その気持ちを、またそこで()()()()いきよる」

 「ふむ?」

 「これって、ガムを踏んだ人間の“嫌な気持ち”と、朝に、怒られたと言う人間の“嫌な気持ち”の波長が似てて()()()()()って事やねん」


 歩きながら、佳穂は首を傾げた。


 「う~ん、なんとなく、、、解る、、、かな、?」


 自分に言い聞かせるよう、独り言のみたいに口に出していた。


 「ガム踏む、上司に怒られる、そこへまた嫌な事言われたとか、ケンカしたとか、そういった波長がドンドン干渉(かんしょう)し合って“嫌な気持ち”が集まりだした所に、そこにな、これまた波長が似てるEG波がフワフワ飛んで来よんねん」


 「何個(なんこ)集まって()よんの?」


 まぁ待てと、モノアイが話しを続ける。


 「お互い触れる事によって、集まって、()()()は小さな思念を持つようになるんや」

 「思念?」

 「そ。この場合は、“嫌な気持ち”って思念やな」

 「ふむふむ、、、」

 「そこへまた別の浮遊するEGがぶつかって引っ付くと、その思念、“嫌な気持ち”がどんどん大きくなる。もう風では漂わん」

 「さっきから聞いてて気になるんやけど、そんな上手い事集まってぶつかるん?」

 「思念は同じ波長を好むんや。()()()()遭うんやな」

 「あ!」

 「なんや?」

 「“類は友を呼ぶ”、やな?」


 パンと膝を叩く音が聴こえた。

 モノアイ、昭和的リアクション。


 「()えこと言うた! せや! 人間で言うなら正にそれや! それと同じことが思念の世界でも起っとるってこっちゃ」

 「なるほど、、、」

 「理由とか原因なんか関係ないねん。取り敢えず“同じ気持ち”で()()()()()ねん。それがEG波の特徴やねん。この話しで言う同じ気持ちってのは、“嫌な気持ち”やな」

 「ほ~」


 何故かイッキに理解できた。



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