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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 二の章
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蝶舞山揺 陸 その3


 楽しそうにまゆらの顔を覗く。


 「アンタ、高輪(たかなわ)と一緒に日本橋に()ったんやって?」

 「ウチもそれ聞いとう」


 これはもう一方の片割れ。

 因縁(いんねん)付けるのに、()れまくっている感じだ。


 「なんか仲()ぅ手ぇつないで歩いとったらしいやんか?」


 これは嘘。

 難癖(なんくせ)を付けるためと、威嚇(いかく)が目的の言葉だ。

 実際、彼女たちがその高輪くんとまゆらが一緒に居たという事が解ったのは、、、というかそう思い込んでいるのは、夏休みに入ってスグ高輪くんのバイクの後ろにまゆらが乗っていたのを目撃されたから。

 見たのは別の生徒。


 それと速水颯太の事件後、一般人によってウェブに投稿された例の巨大ミノタウロスが暴れ、惨状と化した日本橋の動画が出回ったのが理由だ。

 その動画に、若い女性の姿が映っていたからだ。


 それだけだ。

 それだけなのに、、、。


 この映像と高輪くんが怪我(けが)で入院した事が、日本橋で事件に巻き込まれたのだと(まこと)しやかに(うわさ)され、(つなげ)げられ、何故(なぜ)か映像の女性がまゆらだという事になっていた。

 理由は単純。

 映像に映った女性が、ブーツを履いていたからだ。


 四ヵ月前だから、夏。

 夏でもブーツ。

 ブーツと言えば、この学校でいっつもジャングルブーツを履いてる有名人が居る。


 百舌鳥ヶ丘高校一年生の、安倍まゆら。


 入学時から髪の毛はボサボサ。

 前髪は鼻の下まである。

 パーマなのか天パなのか解らない中途半端なボサボサ頭。

 さらに一度も外さない白マスク。

 だから彼女の顔は知らないが、姿かたちで安倍まゆらだと解る。


 常に教室でひとりで居るので、声も知らない。

 それが逆に目立つと言えば、目立っていたのかも知れない。


 イジメられていた訳でも無い。

 でも、その()となる事柄が、まゆらの周りには散らばっていた。


 そして今回、女子たちに人気のある高輪くんの怪我の原因を、どこかに求めたクラスの女子は手っ取り早くまゆらだと責め立て始めた。

 発端(ほったん)は、さっきも言ったが高輪くんのバイクの後ろに乗っている所を見られたのがイケナイ。

 それだけで、この年頃には殺意さえ持たせられる。


 まゆらにとって、予定が予定通りに行かない事がとてもストレスになる。

 今日はどうしても寄りたい所があったのに、足止めを喰らう。

 ストレスだ。



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