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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 二の章
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蝶舞山揺 伍 その8

 ただ、この時波働は勘違いをしていた。

 まゆらが最近結界内に入ったり情報を集めていたりするのは、波働が言うEG使いを捕まえる(ため)ではなく、別の目的。


 それを最近耳に入って来る結界内の噂と勝手に繋ぎ合わせてしまい、波働は安倍まゆらが御門家のイヤガラセに()っていると思い込んでしまっていた。


 ま、安倍まゆらと御門家の繋がりを知っていればそう考えてしまっても仕方がない。

 現に自分も今、よく似たイヤガラセに()っているからだ。


 波働に直接依頼しているのは二課であるが、その()は術屋の中でも名家中の名家、四術宗家(しじゅつそうけ)()()と、道具屋、、、。


 あくまで依頼は『二課から』とされ、個人名は波働に知らされなかった。

 その時点でアヤシイ、、、。

 

 四術宗家も、“何処(ドコ)の”が無くて、大代表になってる。

 めっちゃアヤシイ、、、。


 そして道具屋。

 関西で“道具屋”と言えば、“関西道具屋最大手”と誰もが認める老舗の加茂家。

 そこからの依頼であれば『道具屋』とは名乗らない。

 『加茂家』と名乗る。


 他の道具屋でも同じだ。

 関西の道具屋なら、堂々と名乗るのが普通。

 名乗らないのは、めちゃくちゃアヤシイ、、、。


 情報部二課からの依頼で道具屋絡み、となれば、長谷部の派閥が絡んでると思われる。

 長谷部の派閥と言えば、、、


 ――間違いなく関東勢からの依頼、、、


 波働、そこは確信。


 彼は単独で動くコーディネーター的な役割なのだが、署内で自由に動ける立場で、それが権力の力を増していると勝手に思い込んでる表向き上層部からの、言わば釘を刺され、試されてる状態。


 波働は、()()命令を聞くのか?

 どの勢力に都合()く動くのか?


 で、仕事の手伝いと言いながら、お目付け役の波付である徒波が来ているって訳だ。


 ――いや~、参った参った


 波働が特に(まい)ってるのは、結界の処遇(しょぐう)については(すで)に加茂家の次期当主が動いているって事。

 加茂家が、動いてる。

 もうこれは情報じゃなくて、関西じゃ常識になってる。


 当然この事はすでに報告として挙げているので、いくら()()っていっても知らないハズは無い。

 そこへ自分を潜り込ませるとは、、、。


 ――ホント、参った、、、


 こじらせる混乱が目的で、それ以外考えられない依頼だ。

 だって普段の波働からすれば、波付を使()()()の人間だ。

 それを敢えてお目付け役に据えて来るなんて、本庁のどいつだ? と勘繰(かんぐ)らずにはいられない。


 ――長谷部二課長と繋がってそうな人物を探るか、、、


 冷静に考えて、道具屋の方は何となく目的が解る。

 関西にも販路を広げようとする、浅ましい考えだ。


 その一方で、術屋の方の思惑は、、、何だ?


 四術宗家。


 歴史ある四大術師の家柄。

 それが今回、本庁とグルになって波付を使っている。


 波付は、呪術の実行部隊。

 波働も現場でよく依頼している。

 が、それを四術宗家がわざわざ使ってる。


 不自然。


 術師の家系が自分たちの術師を使わず、他者に依頼している。


 オカシイ。


 そのお陰で、実際どの四術宗家からの依頼で動いているのかが解らない。

 敢えて隠そうとしている節が見て取れる。


 こういうの、“裏”がある。

 波働じゃなくても、それくらい解る。




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