蝶舞山揺 肆 その3
李楠のイライラをお構いナシに、『まいったな~~』なんて言って頭を掻いてる。
行く気ゼロ。
――知ってたけどなっ!
そうこうやってるうちに、上司の耳に入った。
そしたらこうだ。
「李楠、オマエが直接行って指揮を取れ」
――はぁ?
マジで『はぁ?』だ。
さすがに声には出さなかったが、李楠は思いっきりそういう顔をしてやった。
でも効果ナシ。
しかも例の部下は、『ホントそうっすよね』なんて納得してる。
――オトコって生き物は、アホなのか?!
少しは相手の心情を読み取れよと声に出して言いたかった。
「2~3人、うちの術師を連れて行け。オマエが本人を確認し、『良し』と判断したらその管理者って奴と契約する」
――え~~、マジか~、、、
李楠は頭をポリポリする。
思考がフル回転。
――どうする?
普通に考えて危険極まりないこの任務、何で戦略専門の私がしないとイケナイのかと反発さえ覚えるが、ここで断ったら後でもっとややこしい事になるのは目に見えている。
――何とかナチュラルに断れないだろうか、、、
「、、、EG使いは、基本、姿を現したがらないですよ」
今は会話を引き延ばして、その間に最良の答えを見つける。
意地でも見つける。
――見つかるかな、、、
「分かってる。だからだ、術師と一緒にお前も行って、日本人の好きな“誠意”ってやつを見せろ」
――なんだそりゃ
李楠、意味解らん。
「はあ、、、」
としか言いようがない。
更に李楠、思案。
これはチャンスなのか?
それとも、失脚の前奏か?
色々考え、最良とは言えないが、最悪の場合の対処法をヒラメイタ李楠。
「う~~ん、怖いんで范蘇円と、、、駱嘉を連れて行って良いのなら行きます」
少しの間。
返事に詰まる上司。
「駱嘉か、、、」
さすがにこの名前を出すと、ボンクラ上司もやっと表情を動かした。
「范蘇円は、まぁ解るが、駱嘉は、、、」
「結界内ですよ。私も死にたくありません」
范蘇円は記憶を映像化出来る、レアなEG使い。
彼女を連れて行くのは管理者ってのが本当に現れたとき確実に役に立つし、これから仕事しますよってアピールにもなっている。
そして、駱嘉、、、。




