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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 六の章
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策略謀略 伍 その4

 二つ以上の力が合わさって、効果を倍以上に上げる。

 近藤の攻撃と、相手の動きを制限するビートイット。

 相手が元柔道家だけに、合わせ技一本だ。


 威力が弱くても、使い方次第で思わぬ効力を発揮する。

 こういう思考を持たなかったタンクは、ホントもったいない。

 爆発の威力ばかりを追求した攻撃、一本やりの攻撃なら、対象もそうそう喰らうものではない。


 なんだけどタンクの思考は、『1発当てりゃええねん!』と単純明快。

 小さな爆発を()()ぜフェイントに使うだけで、どれほど相手を翻弄(ほんろう)できる事か。


 「ほら! 逃げろ逃げろ!」


 それでも、蛇骨会の3人が有利なのは変わらない。

 右手を失ったカンジを肩に、左腕で攻撃を繰り返すトッポ。

 それを(かば)うように闘っては、後方の2人を心配する西下。

 じりじりと、3人は後退をする。


 本来なら動物園北口から外周で逃げ込むつもりが、タンクの攻撃でそちらには行かせて貰えなかった。

 そのまま一心寺前方向へ進むと、さすがに罠だなと西下は気付いた。

 気付いたが、この状況、どうしようもない。


 「早ぅモータルフラワー呼べや、しゃぁないと死ぬぞコラ!」


 ――なるほど。狙いは矢部さんか、、、


 解かるが、対抗できない。

 それに、カンジが右手を吹っ飛ばされた時に、トッポがガラケーで応援を呼ばせている。

 矢部の耳に入ると、間違いなく本人が来るだろう。


 、、、これは相手の、思うツボだ。

 でも、呼ばないと確実に、死ぬ。


 ――アホんだらが!


 心の中で悪態(あくたい)を付いた瞬間、左肋骨(ろっこつ)にいいのを貰った。


 「今のはイったやろ!」


 狂気に眼を()き、近藤が西下を挑発。


 「自慢の右フック。最低でもヒビは入ったな~」


 ――確かに、、、


 息を吸うと、パンチを貰った場所が痛い。

 肺に空気を入れるのを、痛みが拒否する。


 「そんな威力じゃ、柔道家の骨は折れないよ」


 余裕を見せた。

 折れてはいないが、確かにヒビは入っているだろう。


 ――ジリ貧だな、、、


 とりあえず四天王寺南の交差点には行かず四天王寺前交差点の方へ行けたのは、少しでもマシかと自分に言い聞かせた。

 が、方角的には確実に追い込まれている。

 サイラーの縄張りに、、、。


 「カンジ」

 「はい、、、」

 「一人で立てるか?」


 トッポの問いに、カンジは笑顔を見せた。

 笑顔にはなって無かったが、、、。


 「多分、アイツらの攻撃は、オマエには()ん。()るんやったらオレか、西下さんやろ。しゃーからオマエは取り敢えず逃げろ」

 「、、、!」

 「文句|言うな。(なん)も言うな。逃げてくれ。オマエが気になってもうて()()()(たたか)われへん、、、」


 トッポの言葉に、泣き出すカンジ。


 「オマエは右手無くして、それでも仲間に連絡取ってくれた。それだけで充分な働きや、オマエの仕事は終わり。後は、逃げてくれ」


 カンジが、トッポを見つめる。


 「頼むわ、頷いてくれ。ほんで、逃げてくれ!」


 あっちに逃げろと、身体を向かせ、四天王寺の方へ走らせた。



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