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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 六の章
181/192

策略謀略 伍 その2

 追い詰められていた。

 同じ攻撃を、同じように、飽きもせずに繰り返してくる。

 時々、笑い声さえ上げる。

 人としてどうなんだ? ってヤツらに、追い込まれている。


 前衛で西下が近藤と肉弾戦を繰り広げると、その最中にパチッ、パチッっと、動きを(わず)かだが(さまた)げる地味な攻撃を受ける。

 そう、例の、熱したハリガネを押し当てられた時のような痛み。

 地味だけど、かなり効く。


 元空手家と元柔道家の攻防中に、捕まえたと思ったらパチッっとやられ、反射的に身構えてしまうところに打撃をくらう。


 イライラする。


 素早さとパンチに関しては確かに近藤の方が上だが、捕まえてしまえば一瞬で落とせる。

 その自信は、満々にある。


 打撃を繰り出す近藤にカウンターで合わせ、西下がその太い腕を伸ばして捕まえに行くと、パチッ、、、とやられる。

 これを何度繰り返された事か、、、。


 捕まえさえすれば、勝てる。

 こんなチビに、絶対に勝てる。

 その考えが、余計に西下をイライラさせている。


 後ろで笑いながら、指をパチン! と鳴らすヤツが居る。

 すると、ほぼ同時に西下の身体のどこかに、()()がくる。


 叭魑(パチ)ッ!


 まただ。

 どうしても、身体が反応して身を引く動作が入る。

 その隙にパンチを入れられる。


 そんな西下を見て、笑っているヤツが居る。

 EG使い、ビートイット。


 ウザい。

 ウザすぎて、首を握力(あくりょく)だけで折りたい。

 必ず、折ってやる。

 首を、(にぎ)って折ってやる。


 西下は近藤を相手にしながら、後ろでパチッっとやってくるEG使いを狙っていた。

 だがそれに集中し過ぎると、タンクのデカい火球に狙われる。

 それで動きが雑になると、眼の前の近藤の打撃を喰らってしまう。


 ――くそったれめ!


 西下を援護すべく、トッポが後方に居るビートイットに攻撃を仕掛ける。

 トッポの能力は、左腕を振れば火球が五個、相手を襲う。

 火力と言うより、質量の攻撃。


 熱さじゃなく、五発のパンチが飛んで来ると言った方が良い。

 当たると、痛い。

 我慢できなくもないが、身を引いてしまうくらいの威力は充分にある。


 二発ほど、ビートイットは喰らっている。

 殺す! と思ったがタンクに止められた。


 「順番に、順番に、、、」


 熱くなりやすいクセに、自分のこと以外は冷静というタンク。

 ()してる状況を崩してまで、()()火球を飛ばしてくるEG使いにターゲットを変える必要は無い。

 まずはガタイのデカい元柔道家ってのを、ヤれば良い。


 最悪、近藤がやられてもその時はもうボロボロだろう、2人で簡単に倒せる。

 その次が、あのEG使いだ。


 確実に、一個イッコ(つぶ)していこう。

 ビートイットも納得した。


 「順番に、順番にやな」


 ビートイットを狙うトッポには、タンクが攻撃を仕掛けるようになった。

 タンクの能力は対象を3秒以上見つめると、見てたモノが爆発する。


 息を止めて、顔が真っ赤になるくらい睨む。

 3秒経つと、睨んだモノが爆発。

 タンクがやるとショボそうな攻撃に見えるが、実際はなかなか使える投擲系の能力だ。




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