表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 六の章
180/193

策略謀略 伍 その1

 見廻りの時に、非常用で持たせているガラケー。

 その番号から着信が入った。


 出るのはウォーカーズの中でもモータルフラワーの側近、小杉統也(とうや)

 非常用のガラケーだ。

 掛かってきた時点で、緊急を要する事態が起こってる。


 「どうした?!」


 一言目(ひとことめ)から、小杉はもう緊迫感を出していた。

 聞こえてくるのは、カンジの声。

 後ろで響く爆発音がウルサくてよく聴こえない。


 ついでにカンジが泣きながら話してくるので、余計に何を言ってるのか聞き取りにくかったが、それが現場の緊張感を伝えていた。

 小杉はスグに、モータルフラワーこと矢部恭祐(きょうすけ)へ状況を伝えた。


 「矢部さん!」

 「どした?」


 矢部は、立っていた。

 動物園の、柵に向かって、、、。

 その背に、小杉が緊迫感満載で必死で伝える。


 「見廻りの連中が、天王寺のヤツらに襲われてるみたいっス!」

 「なんやて?! 今日の見廻りは?」

 「西下んチームです。EG使いのトッポが居てますけど、相手はEG使いが2人も()るらしいっス!」

 「2人、、、ヤバいんか?」

 「電話掛けて来たヤツが(あせ)って何()うてるか解からんぐらい、ヤバそうっス」


 矢部の面倒見の良い性格が、連絡を聞いて居ても立っても居られなくしていた。


 「行く!」

 「いやいや、、、矢部さん! ちょっと待って!」


 小杉が止める。

 言っといて、止める。

 矛盾(むじゅん)してるが、本人もソコに気付いていない。


 助けに行くのは良い。

 自分も助けに行きたいが、タイミングが悪い。

 今、この時間帯は、京弁天から依頼されている動物園の、杭の“(もり)”がある。


 先に述べたように、設置したのはデンタイの波働なのだが、経緯(いきさつ)はなんやかんや紆余曲折(うよきょくせつ)して、現在杭の“(もり)”をしているのは京弁天から依頼を受けた通天閣のモータルフラワーである矢部恭介だ。


 そしてこの“守”という作業は、決まった時間、難しい場合は、一定時間以上の間隔を()()()呪詛(ずそ)を込める作業の事を言う。


 ちなみに、、、

 モータルフラワーは呪術師では無いので、呪詛(ずそ)は唱えられない、、、ってか知らない。

 その代わりに京弁天から教えて貰ったEG波の波形(かたち)そのものを真似て、波動を呪詛(ずそ)()()()()()()に変えて流し込む作業をしている。


 今、その作業の真最中(まっさいちゅう)というわけだ。

 でも小杉から聞いてしまった以上、ウォーカーズのメンバーが心配になる。

 どうする?


 一瞬思案して、矢部はスマホを取り出した。

 出して、仲の良いEG使いをコールする。

 その間も慎重に、波動の波形(かたち)を崩さないようにしている。

 矢部のコールに応えたのは、アンニュイな声の持ち主。


 「何なに~? こんな時間に珍しいなぁ~。なんかあった?」


 スマホ越しに聞こえる甘ったるい声は、今宮の“あげまんちゃん”だ。


 「頼む! あげ、助けてくれ!」


 矢部は早口で事情を説明すると、あげまんちゃんはスグに返事をしてくれた。


 「待っとき! スグ行ったるからな! “守”を引き継ぐから矢部たん、それまで動きなや!」


 矢部がチームのメンバーを思う気持ちも解かるが、京弁天からの頼まれごとの“守”の大切さも解かっている。

 行かせたい。

 だが矢部がメンバーの助っ人に行くには、確実に自分が引き継げる状態にしてからでないと行かせられない。


 何故(なぜ)なら、京弁天の命令は“絶対”なのだから。

 結界内(この世界)で生き残ろうと思ったら、京弁天に逆らってはイケナイ。

 結界内(ここ)では彼女が頂点であり、存在事態が“絶対”なのだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ