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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 六の章
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策略謀略 肆 その5

 ルネのセリフを確認する前に、アーモンドナッツの箱のEGを解いてしまった。


 「あ、、、」

 「良き良き」


 再び店内に入ろうとするルネに、楓の(むな)しい声が、、、。


 「ちゃうねんルネ、そいつ味方やねんって、、、」


 聞く耳持たず。

 ルンルンと小さく飛び跳ねながら店内に入るルネ。

 傷だらけの身体を引き吊りながら、楓にしがみ付いて必死に訴える佳穂。


 「あのゴスロリ頭オカシイん?! ()めて! 先っちょは味方やねんて!!」

 「解かった! 解かったから!」


 そう言って(つか)まれた腕をほどき、ルネを止めるべく店内へ入ろうとしたら、逆に中から出て来たルネ。


 「お、おう? どした?」

 「アイツ、、、とんだ中折れヤロウだったわ」

 「、、、、、、中折れって、、、」


 コンビニの入口付近で、楓はルネに説明を始めた、、、。

 二人を見る佳穂の耳に、その時聞こえた。


 「、、、?」


 座り込んでいた場所で、佳穂は自分の名前を、確かに呼ばれた気がした。


 「佳穂ちゃん、、、」


 間違いない、呼ばれている。

 振り返った。


 「さ!、、、」


 大きな声を出してはイケナイ。

 慌てて自分で口を覆った。


 「先っちょやん、、、なんで?」


 店内奥のスタッフ部屋から専用出入口を抜けて、裏からコンビニが入っているビルの外周(づた)いにくるりと廻ると、その物陰から手招きしていた。


 「(はよ)う、気付かれる前に!」


 佳穂がコンビニ入口を見る。

 楓が()ねるルネを、ま~~だ説得している。

 もう先っちょは店内に居ないのに、まだ撃ち足りない様子で駄々(だだ)()ねてる。


 どうしようもない事は解かっているのだが構ってくれる楓が居ると、ルネも執拗(しつよう)に駄々を捏ね()り回したくなるのだ。

 その間に、佳穂は先っちょの所へ。


 「ええか、今からはひとりで旦那のとこに向かい」

 「え? ひとりで?」

 「俺はあの2人を止めるわ」

 「なんで? あの女の人、味方っぽかったで」

 「あの2人な、警察関係の人間やねん。しゃーから俺とは(ちゃ)うねん。それに下手したら身の安全や()うて、佳穂ちゃんも結界の外に連れ戻されるで」

 「そ、それは、、、」


 ちょっと違った。

 身の安全よりも、妹優先。


 「この道まっすぐ行ったら日本橋の駅入口出てくるから、それを南下、、、左に曲がってまた真っ直ぐや。ほんだらソフマップ跡地が出て来るから、そこまで行ったらモノアイの旦那の方から迎えに来てくれるわ」


 一瞬、何か言おうとした佳穂だが、、、()めた。

 この状況、気遣いは時間の無駄。


 「ありがとう。先っちょ、オトコマエやで」


 それだけ言うと、佳穂は無理やり左足を動かして、日本橋へ向かった。

 少しして、楓が声をあげた。


 「あ~~!」


 その眼に、佳穂の遠ざかる後ろ姿が見えたから。



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