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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 六の章
173/194

策略謀略 肆 その1

 ルネのハンドガンが連射される前に、中年中肉中背の先っちょはその体躯(たいく)から想像する3倍の速さでコンビニの中に避難した。


 ――中に入れば、、、


 と、ちょっと安心したら、とんでもない事が起こった。

 先っちょはコンビニの中に入れば、そうそう撃たれはしないと思った。

 相手も警戒しながら様子を(うかが)って、ヒリヒリした神経戦が始まると思っていた。


 それは外に居る楓もそう思っていたが、ルネは違ったようだ。

 ベレッタとグロックの、引鉄(ひきがね)()()()()()


 連射!

 止まらない!

 撃ちまくりながら、店内に入って来た。


 「嘘やろ?!」


 奥の飲料コーナーの前、菓子コーナーの影に隠れて頭を抱えた。

 撃たれたものが、上からどんどん落ちてくる。


 「マジか?!」


 連射が止んだ。

 素早く顔を出し様子を(うかが)うと、()れた手つきで両方のマガジンを交換しているルネが見えた。

 視線はこちらに向けたまま、、、。


 微笑(わら)っていた。

 これは、まだまだ撃つ気マンマンだ。


 ――止まったらアカン!


 瞬間的に、先っちょはそう思った。

 自分の方から、ルネとの距離を()めにかかる。


 「あら?」


 先っちょが、思いもよらぬ速さでルネとの距離を詰めて来た!


 「あらあら?」


 目の前に、大量の菓子がバラ()かれる。

 先っちょの目眩(めくら)ましだ。


 「こういう時は、だいたい下からなのよねっ!」


 まったく慌てず、反対に先っちょが突っ込んで来るであろう動線に、確認するより先に蹴りを放っていた。


 さすが元バウンティハンター。

 狩られる側の行動心理は、経験で百も承知。


 ドカッ!!


 ほら、足なのに()()()あり。

 遅れて視線を下げると、鼻を抑える先っちょが居た。


 「ビンゴ!」


 ルネ、得意気。


 先っちょは落ちていたお菓子の箱を、苦し紛れに投げつけて来た。

 ()()()()()()()()、、、。


 投げつけられた菓子箱を払いもせず、先っちょに照準を合わせるルネ。

 グロックの引鉄を、絞る!


 「ん?」


 撃てない。

 引鉄を、引けない??



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