策略謀略 肆 その1
ルネのハンドガンが連射される前に、中年中肉中背の先っちょはその体躯から想像する3倍の速さでコンビニの中に避難した。
――中に入れば、、、
と、ちょっと安心したら、とんでもない事が起こった。
先っちょはコンビニの中に入れば、そうそう撃たれはしないと思った。
相手も警戒しながら様子を窺って、ヒリヒリした神経戦が始まると思っていた。
それは外に居る楓もそう思っていたが、ルネは違ったようだ。
ベレッタとグロックの、引鉄を引き続ける。
連射!
止まらない!
撃ちまくりながら、店内に入って来た。
「嘘やろ?!」
奥の飲料コーナーの前、菓子コーナーの影に隠れて頭を抱えた。
撃たれたものが、上からどんどん落ちてくる。
「マジか?!」
連射が止んだ。
素早く顔を出し様子を窺うと、慣れた手つきで両方のマガジンを交換しているルネが見えた。
視線はこちらに向けたまま、、、。
微笑っていた。
これは、まだまだ撃つ気マンマンだ。
――止まったらアカン!
瞬間的に、先っちょはそう思った。
自分の方から、ルネとの距離を詰めにかかる。
「あら?」
先っちょが、思いもよらぬ速さでルネとの距離を詰めて来た!
「あらあら?」
目の前に、大量の菓子がバラ撒かれる。
先っちょの目眩ましだ。
「こういう時は、だいたい下からなのよねっ!」
まったく慌てず、反対に先っちょが突っ込んで来るであろう動線に、確認するより先に蹴りを放っていた。
さすが元バウンティハンター。
狩られる側の行動心理は、経験で百も承知。
ドカッ!!
ほら、足なのに手応えあり。
遅れて視線を下げると、鼻を抑える先っちょが居た。
「ビンゴ!」
ルネ、得意気。
先っちょは落ちていたお菓子の箱を、苦し紛れに投げつけて来た。
EG波を纏わせて、、、。
投げつけられた菓子箱を払いもせず、先っちょに照準を合わせるルネ。
グロックの引鉄を、絞る!
「ん?」
撃てない。
引鉄を、引けない??




