策略謀略 壱 その3
死の寸前まで追い込まれた状況から救ってもらい、ここまでおぶって運んでくれた。
今も自分に気を使い、励まそうとしてくれている。
――なんやねん、やさしいEG使いも居るやん
幸か不幸か、、、。
佳穂が知り合った二人のEG使い、モノアイと先っちょは、佳穂にとても優しくて好くもしてくれた。
先っちょとの遣り取りで気持ちがホッとして、近付く二つの影に気が付いたのは、かなり近くに接近した時だった。
――あ、また、、、?!
気付いて、後悔した。
もっと警戒しておくべきだった。
実際に経験して、解かってたハズだ。
結界内で遭うヤツ等は、頭のオカシイEG使いしか居ないと、、、。
佳穂は同じ轍を踏んだ自分を悔いた。
もう遅い。
こちらに気付いた二つの影、その一つが少し足早に近付いて来る。
シルエットは女性だ。
その影を見て、、、
――あれ? なんか、、、先程の奴らとは違う?
そんな印象。
しかもその格好、黒のロングコートの下から見えたのは、、、
――、、、水着?
にしては、革製なのかゴツゴツして複雑な編み込みだし、首元まで伸びたデザインはどう見ても水着では無い。
それどころか紐とシルバーの装飾も細かくて、ちょっとイカツい感じ。
下は、、、
――ショーパン? 何パン?
表現が解らない。
ヘソが見えるくらいのカットでベルトが太いしゴツい。
これも黒で革っぽく見える素材で、胸元を覆うトップスと紐で繋がっている。
履いてるのは、ニーハイブーツ。
ガーターベルトみたいなデザインでパンツと繋がり、色はもちろん黒。
――何やろ?
佳穂は、知ってる記憶を捲るめくる。
見た事あるよな無いよな、、、。
薄っすらとだが、記憶に辿り着く。
――あ! 女子プロレスラーや!
佳穂のイメージでは、女子プロレスラーが着てそうな衣装の女性が近づいて来た。
色から判断して、悪役だ。
マイクを渡せば一言パフォーマンスしてくれそうな愛想の良い悪役だ。
だって金髪くるくるパーマが可愛らしい。
ロングコートを靡かせる姿は、まるでリングに向かう花道を歩いてるみたい。
雰囲気は、ちょっと年上、、、。
――逃げる?
、、、迷う。
佳穂はどうしようかと悩んだが、素早く行動に移せなかったのは近付いて来た女性に自分を狙って来たEG使いたちのような感じがしなかったから。
どちらかというと、先っちょの感覚に近い。
――、、、ってことは、味方?
近付いて来た女性は少し手前で足を止め、佳穂にゆっくり話し掛けようとしていた。
佳穂は目の前まで来た女子プロレスラーみたいな女性を、失礼なほどマジマジと見てしまっていた。
――マジか、、、
めちゃめちゃナイスバディではないかっ!
金髪くるくるパーマも、よく似合ってる。
笑うと多分、年下の自分でも可愛いと思ってしまう感じがする。
その少し後ろにもう一人、ロリータファッションの女が立っていた。
マジマジと見た。
――マ、マジか、、、
こっちは、ビビるほど美形だった。
まるでCGで造ったみたいな超絶美形。
ただ、、、服のセンスはナンセンス。
佳穂の好みにまったく合わない。
「あんた、、、宮崎佳、、、」
女子プロレスラーみたいな女性が佳穂に話しかけたタイミングで、コンビニから先っちょがちょうど飲み物とウェットティッシュを持って出て来た。
「、、、穂???」
それに気付き、女の顔がそちらを向いていた。
「あ、、、?!」
先っちょが、2人の女性を驚愕の眼差しで見ていた。
「楓と、ルネ、、、」
2人の名を、呼んだ。
2人の名を、知っている。
それだけで充分な理由だと、ルネはベレッタとグロックを抜いた!




