表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 五の章
161/193

参差錯落 陸 その3

 互いに一度、相見(あいまみ)えた者同士だ。

 相手の能力は、ある程度知っている。


 安倍まゆら。

 アドリブに強い天才肌。

 とにかく(なん)と言っても、術の展開が異常に速い。

 こっちに対抗する時間的猶予を与えてくれない。

 しかも多彩。

 オマケに式の“八部衆”は強過ぎ。


 そして糸姫。

 まゆらの左掌にくっ付いてる“唱える者”こそが、マジで厄介(やっかい)

 めっちゃ邪魔。

 ウザいほど(しゃべ)るし。

 この二人、(ひと)りでもそーとーヤバい術師なのに、それが(つね)()()()を相手にする状態になる。


 これがモノアイのイメージ。

 対してまゆらは?


 一回観たので、興味ナシ。

 確かにモノアイの能力は優れたモノだが、まゆらとしては他に新しい能力(モノ)があれば再び興味を引くかもしれないが、今は興味ナシ。


 糸は、モノアイにかなり興味アリ。

 彼の“デリート”は、肉体を持っていた頃には無かった術式(と呼べるかはおいといて)。

 かなり異質。

 四属性の術式に当て()めようとしても、似て非なるモノばかりだ。


 どうしても糸が納得できないのは、EGだろうがNGだろうが必ず有るハズの構築理論が解らないこと。

 EG使いは術師の言うところの術式公式をsource(ソース)formula(フォーミュラ))と呼称(こしょう)してるくらいなのだから、そこに理論は絶対に存在するハズなのだが、、、解らない。


 ま、EG使いなんで、糸が知る純然たる術式とは違って当たりマエダのクラッカー。


 同じ術ヲタでも、ふたりの興味に違いがある。

 まゆらは自分の知らない術、能力の“仕組み”を知りたい。

 糸は術、能力の構築理論を理解して、自分でも使ってみたくなる。

 そんな違い、、、。


 なのでホントのところ、糸はもう少しモノアイと知り合いになりたがってる。


 「ままま、挨拶はこの辺にしといて、今日は何か用?」

 「ええなぁ。そのまま動きなや」


 ――腰が、、、


 モノアイの視界の中心に、まゆらが立った。

 指を立てる。

 腕を伸ばし、その指を動けないモノアイの眉間(みけん)に当てた。


 「術で喋るか、自分で喋るか、どっちにするか決めなはれ」


 話すのは、もちろん糸。

 術で喋らされると、その後どうなるかを知っているモノアイは即答。


 「ハイッ自分で! ハイッ喜んで!」


 居酒屋のアルバイトのように答えてた。


 「ちょっと聞きたい事がありましてな」

 「おうおう。何でも聞いてや。このモノアイ、結界内で知らんモンは無いで」

 「それは(たの)もしわぁ。ほなら聞いてみまひょかな」

 「おうおう、聞いたって聞いたって!」

 「アンタさん、ドクターってEG使い知ってはりまっか?」

 「ん? 知ってるもなにも有名人やん。反対に、知らんヤツ()らんやろ」

 「ま、そうでっしゃろな。こっからがホンマの質問なんやけど、ドクターは、今何処(どこ)()はりますのんや?」

 「それは、、、知ってるけど、コレは情報やで。報酬は?」


 モノアイの眉間に当ててるまゆらの指に、力が入れられた。

 モノアイの頭が軽く後ろに、トンっと押された。


 「今殺さんのが報酬でんがな」


 納得してしまった。

 今も小さな土蜘蛛が、全身を這っている。

 質問した口の横に二匹。

 眼の周りに五匹現れた。


 片っぽしかないのに、、、。


 術を掛けられた本人が、もしかして? と思う場所に現れる土蜘蛛。

 なので今、質問のために開いた口に土蜘蛛が入ったら?

 残った眼を狙われたら?

 このモノアイの思考に刺激され術が反応し、そこに土蜘蛛が現れた。


 ――性格(タチ)の悪い術やのぉ、、、


 後は“()れ”、と念を送るだけ。

 間違いなくデリートより速く自分を殺すだろうと、簡単に想像できた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ