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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 五の章
158/192

参差錯落 伍 その15

 ってことは、、、!?


 ――この笛、別モノ?


 「(はよ)うEG波消して、ドロンしましょ!」


 その珈琲の言葉を聞いた時、不意に李楠の視界が晴れた。

 術が解かれたのだ。


 ()()()()()()()()()、キョロキョロする李楠。

 辺りを見渡す。

 もう、二人のEG使いの姿は無かった。


 「EG使い、素早~~い、、、」


 完全に気を失ってる駱嘉と、まだギャ~ギャ~泣いている范蘇円は居る。

 さらに近付く笛の音。

 その笛の音の方を、見た。


 「!」


 青白い光が走って来る。

 物凄いスピード。

 何か叫んでる。

 叫びながら走って来る。

 李楠が観たのは、、、!


 「エレクトリック・ゴースト(およ)火付盗賊改方ひつけとうぞくあらためかたである! 大人しく(ばく)に付けぃ!」

 「、、、んな?」


 よく解らない日本語だった。

 観ているのは、間違いなくエレクトリック・ゴースト。


 人型とは思えない速さでやって来たのは、(かぶと)と笠の中間のような黒い帽子(?)を(かぶ)った、袴姿(はかますがた)(?)の侍なのか何なのか理解できないが、そんな人物というかそういうエレクトリック・ゴースト。


 それを先頭に、さらに後ろに子分(?)らしき三体のエレクトリック・ゴーストを引き連れていた。


 「ななななな何?」


 ()()()はじっくり辺りを見廻した。

 手には鉄製の、変な武器(?)らしきものを持っている。

 李楠が知っている武器(モノ)で言うと、(サイ)に似た特徴的な形。

 でも、ちょっと違う。

 グリップに赤い紐が()かれているが、長過ぎたかのか先が(あま)っていた。

 余った紐の先は、丸い形状に装飾結びされている。

 李楠は、それが何なのか解らなかった。


 先頭を走っていたエレクトリック・ゴーストが、李楠に歩み寄る。

 迫力があった。

 そう感じたのはエレクトリック・ゴーストのクセに、みょ~~に生々しかったからだ。

 しかも武人の様、、、。


 ――あいや、日本なので、サムライか、、、?


 でもネットで観た事のあるサムライの恰好(かっこう)とは似て非なるものだった。

 ソイツは李楠から離れると、次に駱嘉と范蘇円をじっくり見分(けんぶん)

 何やら思案したのかしないのか、引き連れて来た後ろの三体に一瞥(いちべつ)して合図を送った。

 そのうちの一体が、あの笛を吹く。


 鄙避(ピイ)ィぃぃい~~~!!


 近くで聞くとウルっサイ。

 ピーピー吹いてエレクトリック・ゴーストの一行は、またもの凄い速さで走り出して行った。


 「何だ、、、今の、、、」


 李楠は、インプットしている記憶を紐解いていく。

 エレクトリック・ゴーストの種類、、、。

 やがて、これでは無いかと思う記憶に辿り着く。


 「、、、あ! 自動式?!」


 それは、、、条件が整えば具現化し、術者の意思から離れ単独で与えられた課題を勝手に遂行(すいこう)していく式。

 それが、“自動式”。

 初めて観た。


 ――ってか、レアだろ!


 観た感じで言うと、かなり強いエレクトリック・ゴーストだ。

 現に、自分たちがヤられたEG使いが逃げ出したのだから。


 ――何だろう? 何に反応して、何を攻撃する自動式?


 じっくり考えたかったが、まずは駱嘉のケガの具合と、ホテルまで帰る段取りを優先。

 二人の安全を考えれば、管理者と取引を行った場所に戻る方が良いか。


 などと、意外と冷静に考えられている李楠だった。



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