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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 五の章
155/192

参差錯落 伍 その12

 でも今、そこまで深読みしている状況じゃない。


 ――これで残り最後の推測が当たっていれば、万々歳なんだが、、、


 すでに駱嘉とりんごりんごは、肉弾戦に入った。

 あいま合間に、赤いりんごを出すりんごりんご。


 ――やっぱり、一個ずつだ!


 りんごりんごの出すりんごを眼の端に捉えると、ほぼ同時に駱嘉の紅迅がりんごりんごのりんごを真っ二つに斬る。

 横から少女の死神が、、、!


 「范蘇円!」

 「解ってます!」


 両手を前へ!


 愚嗚(ぐお)~~()んん!!


 顔面に、突風。

 少し後ろに下がり、『あぷぷぷ、、、!』するマカ。

 ちょとカワイイ。


 「やるやんけ」


 珈琲の左腕が、ゆっくり上がる。


 「駱嘉! 今だ!」


 幻術が駱嘉に届く直前、蘭陵王が出現。


 (ゴン)ッッッ!!


 喰らったのは、その蘭陵王。

 ()えての蘭陵王。

 そのおかげで、りんごりんごに対する駱嘉の攻撃は止まらない!


 「ちっ!」


 幻術で動けない蘭陵王。

 変にダメージを貰う前に、宿主である駱嘉に戻す。

 戻すだけなら、戦闘しながらの駱嘉でも充分可能。

 自然とその頬に、微笑(えみ)が不敵に浮かぶ。


 「コイツ!」


 りんごりんごへの攻撃は止めない。

 焦り始めてるのが、解る!


 ――イケてる私!


 李楠の思った通りだった。

 幻術は珈琲が決めた相手に、見定めて決め打ちするタイプだ。

 発動は左腕を上げる事か、缶コーヒーも必要なのかは解らないが、それだ。


 それで発動する術は、珈琲から一気に対象を捉えるんじゃなく、腕を上げた珈琲からEG波を伝わって対象を捉える伝達型。

 このタイプは間に障害物(ナニカ)があると、そこで伝達が止まる。


 だから、駱嘉の前に蘭陵王が居ればいい。

 それだけで、珈琲の幻術を防げる。


 蘭陵王はたとえ視覚を奪われたとしても、すぐさま宿主に戻せば良い。

 そして再度出せば、ダメージでは無い幻術は“リセット”される。

 術自体も、対象が居なくなったその時点で消滅するからだ。

 駱嘉はりんごりんごとの格闘に集中できる。


 とは言え、あの蘭陵王と互角のスピードでやりあってたりんごりんご。

 簡単にはやらせてくれない。

 実際駱嘉も、何度もいいパンチを貰っている。

 貰ってはいるが、これで良い。


 りんごりんごのパンチを三発くらっても、一発返せばお釣りが来るウェイト差。

 それは彼女自身も解ってる。

 解ってるからこそ、駱嘉がジリジリと攻勢に出始めた。

 ゆっくりだが、()していってる。


 ――勝てる!!


 李楠は、そう思った。



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