参差錯落 伍 その12
でも今、そこまで深読みしている状況じゃない。
――これで残り最後の推測が当たっていれば、万々歳なんだが、、、
すでに駱嘉とりんごりんごは、肉弾戦に入った。
あいま合間に、赤いりんごを出すりんごりんご。
――やっぱり、一個ずつだ!
りんごりんごの出すりんごを眼の端に捉えると、ほぼ同時に駱嘉の紅迅がりんごりんごのりんごを真っ二つに斬る。
横から少女の死神が、、、!
「范蘇円!」
「解ってます!」
両手を前へ!
愚嗚~~吽んん!!
顔面に、突風。
少し後ろに下がり、『あぷぷぷ、、、!』するマカ。
ちょとカワイイ。
「やるやんけ」
珈琲の左腕が、ゆっくり上がる。
「駱嘉! 今だ!」
幻術が駱嘉に届く直前、蘭陵王が出現。
厳ッッッ!!
喰らったのは、その蘭陵王。
敢えての蘭陵王。
そのおかげで、りんごりんごに対する駱嘉の攻撃は止まらない!
「ちっ!」
幻術で動けない蘭陵王。
変にダメージを貰う前に、宿主である駱嘉に戻す。
戻すだけなら、戦闘しながらの駱嘉でも充分可能。
自然とその頬に、微笑が不敵に浮かぶ。
「コイツ!」
りんごりんごへの攻撃は止めない。
焦り始めてるのが、解る!
――イケてる私!
李楠の思った通りだった。
幻術は珈琲が決めた相手に、見定めて決め打ちするタイプだ。
発動は左腕を上げる事か、缶コーヒーも必要なのかは解らないが、それだ。
それで発動する術は、珈琲から一気に対象を捉えるんじゃなく、腕を上げた珈琲からEG波を伝わって対象を捉える伝達型。
このタイプは間に障害物があると、そこで伝達が止まる。
だから、駱嘉の前に蘭陵王が居ればいい。
それだけで、珈琲の幻術を防げる。
蘭陵王はたとえ視覚を奪われたとしても、すぐさま宿主に戻せば良い。
そして再度出せば、ダメージでは無い幻術は“リセット”される。
術自体も、対象が居なくなったその時点で消滅するからだ。
駱嘉はりんごりんごとの格闘に集中できる。
とは言え、あの蘭陵王と互角のスピードでやりあってたりんごりんご。
簡単にはやらせてくれない。
実際駱嘉も、何度もいいパンチを貰っている。
貰ってはいるが、これで良い。
りんごりんごのパンチを三発くらっても、一発返せばお釣りが来るウェイト差。
それは彼女自身も解ってる。
解ってるからこそ、駱嘉がジリジリと攻勢に出始めた。
ゆっくりだが、圧していってる。
――勝てる!!
李楠は、そう思った。




