参差錯落 伍 その3
男は、、、??
――本物か?!
そう思った時、“狙われている”と感じた。
理屈ではない。
本能だ。
賁っ!!
冷たく硬いモノが駱嘉の首に当たる寸前、防御本能で紅迅がそれを防いだ。
金属と金属が当たるような、高い音が響く。
餓禽ン!!
男が楽しそうな声を上げた。
「おおおぉぉ! りんご姉さん見たぁ?! あいつ“マカのカマ”を防ぎよったで!」
動きのある男の言葉。
ハシャいでいる姿も想像できるのに、目の前の男は缶コーヒーを持ったまま動かない。
――術を、、、掛けられたのか?!
そう思った瞬間、小気味良い音と頬に強烈な痛みが、、、?
「しっかりしなさい! 駱嘉!」
李楠の声だ。
あぁオレは今、李楠に頬を叩かれたのか、と駱嘉は状況を把握。
――アイツは?!
視線を前の男に慌てて戻した。
動いている。
横の女と話している言葉に合わせて、ちゃんと動いている。
――何をされた?
「悩む前に行動しろ!」
耳元で叫ばれた。
李楠の声は、駱嘉を落ち着かせる。
「ちゃんと上司してるじゃないか」
李楠の事を見直したというより、小さな好意を抱いた。
李楠は素早くスマホを操作する。
管理者に入れて貰ったソフト、ポスシステムを立ち上げてカメラモード。
スマホのレンズで男を捉える。
ソフトが認識した。
画面に、男のデータが、、、
「出た!」
H N=珈琲
懸賞金=3,148万円
属 性=水
能 力=幻惑拘束
式 =死神少女
表記されたデータを、上手く駱嘉に伝えなければならない。
解り易く、端的に、、、。
「ポスで確認した! アイツは“珈琲”、幻術使いで使役者だ! 視界を奪って動けなくするぞ!」
上手い。
能力の『幻惑拘束』を解り易く意訳して伝えている。
的確に情報を伝達している。
李楠の読解力は相当だ。




