参差錯落 伍 その2
横に居たもう一人も確認できた。
爆発気味のアフロ。
なのに、ハンチング帽をしっかり被っている。
シルエットが『お茶の水博士じゃん!』と、ツッコミ衝動に駆られる日本好きの李楠。
Gジャン。
赤白のボーダーシャツ。
デニムのラッパズボン。
小顔。
口にはチュッパチャップス。
なんか纏まってるので、李楠はムカついた。
――ちっ、、、カワイイじゃねぇか!
スッ、と目の前に駱嘉の背中が、、、。
李楠の前に立ち、庇いつつ戦闘態勢。
そこをまた、李楠が押し退けて前に出た。
「?」
首を小さく捻る駱嘉。
誰でもそうなるだろう。
何してるんだと、李楠の肩を後ろから掴んでた。
駱嘉の手を振り払うと、李楠は対峙する二人に話し掛けていた。
「わ、私たちは中国から来ました。観光です」
「ハイ。それ嘘ですね~。観光客はこの時間、結界内には入りませ~ん」
間髪入れず、ツッコまれた。
「いや、あの、、、」
「それにスマホで確認しながらココ来たやん。この時間、結界内でスマホ使えんのんて、EG使いしか居らんで」
それが違うのよ、とは言えない。
再度、駱嘉が李楠の前に出た。
「話し合いは無駄のようだ」
そう言った。
中国語だ。
「今、何て言うたん? なぁ、なんて何て?」
駱嘉が叫ぶ。
「战斗开始!」
足元から捲きあがる風に、赤が混ざる。
紅迅!
「あ~、何言うたか解らんけど、意味は何となく解るわ、、、」
言ったのは、少し背の高い方の男。
左手に持った缶コーヒーを、乾杯の合図のように差し出す。
「“戦闘開始”ってことやんなぁ!」
厳ッ!
「くっ、、、!」
EG波の“圧”が、駱嘉を襲う!
ここまでのパワーは初めて喰らった。
紅迅の速度を上げ、どんな攻撃にも対応出来るように男を睨む。
缶コーヒーを前に出した男は、、、。
男は、、、?
――何だ?!
微動だにしない。
、、、と言うより、全く動かない。
――違う違う、男が、、、眼に映る男の画像が粗い??
駱嘉が睨んでいるハズの、眼の前の男が、、、?




