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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 五の章
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参差錯落 肆 その5

 確かその頃からJR大阪環状線以外は、夕刻以降、結界内に駅の終点がある路線は、そこに入る手前の駅を終点の駅にした。


 中央線や堺筋線のように結界を横断するような路線は、時刻表の関係で停まりはするがドアを開けない等の対策を講じ、被害を最小限に抑える企業努力を努めている。


 結界内になんらかの所縁がある者は、自分たちも自衛のために夕刻以降は結界内に極力入らない、不要不急の結界内作業を停止し、なんとかやり過ごしてきている。

 エレクトリック・ゴーストが出ると分かっている土地でも、まだ仕事を続ける。

 このあたりは、やはり大阪商人の商売根性といったところか、、、。


 そうやって此処(ここ)の生活に慣れていき、エレクトリック・ゴーストの観光地として(たくま)しく生活している。


 話しを戻して、武藤の案内で三人の神父がまず来たのはJR大阪駅。

 結界の入口として海外に紹介されている駅が、“天王寺駅”と、この“大阪駅”。

 彼らは有名な二つの入口を、早くも見物できたという訳だ。


 電車から降りるとすぐ、マークは楽しそうに小さめのエレクトリック・ゴーストをプチプチ殺してハシャいでたが、(しばら)くすると飽きたのか『スシは?』と武藤に詰め寄った。


 武藤は結界のすぐ(そば)にある、グランフロント大阪南館に三人を案内。

 レストランが入っている。

 寿司屋もあるだろうと適当に来たのだ。


 いや~、寿司屋があって良かった。

 無かった時のこの三人の変貌(へんぼう)ぶりを武藤は見ないで済んだのだから。


 スシを堪能(たんのう)した三人は、、、特にキースはテンションが上がり、結界内を探索しようと言い出した。

 さすがにまずいと武藤は(いさ)めたが、聞く耳は持たない。

 大阪駅から、自分たちが宿泊するホテルのある天王寺まで歩こうという事になった。

 反論する武藤が、ラップの様に言葉を並べる。


 遠いです。

 危険です。

 疲れます。


 と言っても、自分たちは毎日心身を鍛えていると言い、まったく取り合ってくれない。

 武藤としては、本部から結界の案内係を命じられている身、なんかややこしい事になるのだけは勘弁と思っている。


 「ちょっと準備運動をしないか?」


 キースがマークを(けしか)けている。

 傍目(はため)には、まるで年の離れた兄弟が仲の良さをひけらかしているように見えるが、二人共に神父、、、のハズ。

 ふざけ方がどう見ても高校生くらいにしか見えないのに、来ている服はキャソック。

 コスプレではなく、本物のキャソック。


 「するする!」


 日本で診断したら、これは間違いなく厨二病。

 キースの誘いに簡単に乗るマークは、早く自分の能力を使いたくて仕方がないようだ。

 相変わらずハミルトンは、『これこれ』とやんわり止める。

 ま、こんな事で二人が止まる訳が無い。


 結局大阪駅で電車には乗らず、そのまま三人と武藤は結界の中に入る。

 グランフロント大阪から阪急側へ向かい、前の交差点から曽根崎東の交差点を抜け、扇町公園へ向かった。

 道案内する武藤に、ちょっとした作戦が浮かんだのだ。



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