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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 五の章
138/192

参差錯落 肆 その1

 ウォーカーズの三人、西下、カンジ、トッポが、ちょうど25号線沿いに天王寺動物園北の交差点を過ぎるところだった。

 同じく、恵比寿交差点からも、三つの影が出た。


 足を忍ばせ、、、

 革靴の(かかと)で、遠慮ナシにアスファルトを鳴らす音。


 音を立てず、、、

 ベルトに付けてるチェーンがジャラジャラ鳴る。


 静かに、、、

 ガムをくちゃくちゃ()むヤツが居る。


 気付かれないように、、、

 道路に(つば)をペッ、と()くアホも居る。


 人としてどうなんだって態度で後を尾行(つけ)てる三人組。

 そんなやつらは、言わずと知れた蛇骨会。


 こんなお粗末な尾行が成立しているのは、前を行くウォーカーズが動物園の外周に入り、中から聞こえるエレクトリック・ゴーストの鳴き声に意識が持っていかれている所為(せい)もあった。


 道路に唾を吐いたヤツ、背は高くないが、がっしりとした印象の体躯(たいく)

 見れば(こぶし)(たい)らに(つぶ)れていた。

 打撃系の、格闘家の拳だ。

 蛇骨会に入ってすぐ佐山に声を掛けられ、高岡のグループに所属した。


 「(なぐ)り合いのケンカやったら、まだ負けた事無いっス」


 と自己紹介した男、近藤。

 その近藤が、少し前を歩く二人に聞いた。


 「どいつがEG使いと思います?」


 近藤が声を掛けたのは、前を行く二人の男の背の高い方。

 少し猫背で、やたら首を小刻(こきざ)みに前後に振る鶏のような動きをする。

 その男はちょいロン毛で、ギョロっと眼を()いて振り返った。

 少ししゃくれて、イイ具合に人を威嚇(いかく)する(あご)を動かして喋る。


 「なんや、気になるか?」


 エラそうな言い方で解かる通り、使い手とあって近藤より立場が上らしい。

 今野彰正、EG使いの“ビートイット”だ。


 「はい。オレ、どいつをヤったらええんかな思て」

 「あ、ポス見よか?」


 今度は背の低い方がせわしない動きで、パンツのポケットからスマホを出す。

 もう一人のEG使い、“タンク”こと下平聖也。

 ポスシステムを立ち上げて、カメラモード。


 「アカン。望遠にしても、反応せんわ」

 「当たり前ですやん。後ろから顔見えませんやん!」


 タンクの言葉にツッコんでいた近藤。

 ビートイット一人、何かをヒラメイタ顔をして言った。


 「見えへんねんやったら、望遠はもうえぇん、、、」


 タンクと近藤、顔を見合わせる。


 「スベッとるなぁ。なぁ?」


 とタンク。

 後ろの近藤にも同意を求める。

 素直にハイと答えれない状況だと思ったら、近藤はそういうの気にしないタイプだった。


 「ハイ、スベッてます。完全にスベッてます!」

 「なんやねん! オマエ言うのぉ!」


 てな感じでわちゃわちゃしてれば、絶対に気付かれるだろう。

 その証拠に、ウォーカーズの三人が立ち止まってこちらを振り向いていた。



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