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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 五の章
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参差錯落 弐 その2

 楓が『だと思う』と思ったのは()()()()があって、その中に誰か居るのが見えた。

 何かゴチャゴチャしてるモノの間から腕が数本見えるので一人では無いと思うし、ゴチャゴチャ感からもしかしたら3人かも知れないと思ったりもした。


 で、なんでそう思ったかと言うと、ゴチャゴチャしてるのに問題が、、、。

 どうやら中心に居る人物に何故かありとあらゆる物がくっ付いて、訳の解らん(かたま)りになっていたから。


 例えば、、、。

 竹ぼうき、三角コーン。

 例えば、、、。

 金網のゴミ箱、折れた枝。


 小さいモノになると、飲み終えて道に捨てられた缶コーヒーや雑誌、手袋、片方だけの靴、等々が男2人に引っ付いて塊りと化していた。

 見えにくいがその隙間から覗くと、中心に居るのは、、、

 やっぱ男2人だ。


 「ナンだこりゃ?」


 摩訶不思議な塊り。

 ま、間違いなくEG使いによる仕業(しわざ)だなと思った。

 塊りの中心に居る2人の男は、楓の声を聴いてふがふが何か言ってるみたいだがよく解らない。

 どうせ『助けて』的な言葉を必死に言って来てるんだろうなとは推測できる。


 「あら、楓」


 ちょうどその時、橋を渡ってルネが来た。

 近所の主婦同士が道でばったり会った時のテンションで声を掛けて来ていた。

 あまりにフツーに声を掛けて来たので、楓はそれに驚く。


 「いやいや、これ見て驚かんの?」

 「見て心が洗われる?」

 「いや、、、それは無い」

 「じゃ見なくて良き」


 ――こういうヤツなんだ


 と(あき)れながらも、楓は色んな物の隙間から中の人物を確認しようと頑張った。


 「なあなあ、(しゃべ)れる?」

 「あ、あああ、しゃ、痛っ、、、喋れる、、、」


 と、中の男は言ったつもりだが、楓には聞きとれていない。


 「もごもごもごもご何言(なんゆ)うてんのんか解らん!」


 楓、プンスカしながら『この塊り、なんとかならんのか』と愚痴(グチ)ったら、ルネがポツンとヒントをくれた。


 「EG波で引っ付いてるのよね、コレ。そのEG波、消せばイイじゃん」


 その通り。

 楓のグローブは、エレクトリック・ゴーストを捕まえることも出来れば、霧散させる事も出来る。

 粘着に使っているEG波を消せば、多分取れる。

 楓、感心。


 「アンタたまに、()えこと言うなぁ」


 あらそう。と感心も無く(たたず)むルネを尻目に、楓はグローブで軽く一番外側の三角コーンをチョンと小突く。

 青白く(はし)るEG波。

 霧散。

 ポロンと、あっけなく取れた。


 「しめしめw」


 何回か繰り返すと、確かに男の顔が2つ見えた。

 片方の男は完全に、もう1人の男の顔にキスをするようなポーズで引っ付いていた。

 呼吸をするのも(つら)そうだ。


 キスをされてる方の男は、、、コイツが必死で返事をしてた方だろう。

 男からのキスを()ける格好で鼻と唇半分が、なんとか自由になるようだ。


 「これは、、、キツイな、、、」


 楓、思わず同情。


 「助けて欲しい?」


 頷くが、顔が引っ付いてるので案の定、互いに勝手に動くなと痛がってる。


 「コレはコレでオモロイなぁ」


 確かに面白がっている。

 だって引っ付いてる顔は、絶対に剥がそうとしてやらない。


 「この状況は、誰かにやられたん?」

 「そ、そうや痛っ、、、」

 「(あせ)らんでええ焦らんでええ。ゆっくり答え」


 当たり前のことを聞く楓。

 やっぱり痛がる2人を見てニヤニヤしてる。


 「(なん)でこうなったか()うたらええわ、、、、ゆっくり喋り」


 二度ほど頷くと、唇半分を動かせる方の男、ビッグさんが話し始めた。


 「結界にケンカを売りに来た女を追いかけてたら、モノアイの仲間が助けに来て、、、」

 「あ!」


 まさかの名前が出てしまった。

 その名前、ルネの前では禁句!



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