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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 五の章
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参差錯落 壱 その3

章 参差錯落 壱 その3

 眼の焦点が、やっと自分を(はげ)ましてくれている男に合った。


 中年中肉中背なのに少しぽっちゃり男は、何でかもう汗ばんでる。

 中年中肉中背なのに少しぽっちゃり男は、何でかもう呼吸(いき)が荒い。

 中年中肉中背なのに少しぽっちゃり男は、その容姿で佳穂を安心させた。


 「なんやオマエ、、、」


 腕を、佳穂から男に向け直したハイドロハイド。

 その身体の表面を、青白い光が時折(はし)った。


 EG波を纏っている。

 完全に、戦闘モード。

 そんな相棒を見て、ビッグさんの身体にも同じものが光り出した。


 「誰やねん?!」


 二人とは対照的に、優しく、あくまで優しく佳穂に声を掛け続ける。


 「ちょっと落ち着いた? ごめんな、確認させてな、ジブン、佳穂ちゃんやんな?」


 男の言葉を、ハッキリ聞けた。

 小さく、でも何度も、相手に伝わる様に何度も頷いた。


 「怖かったやろ。もう大丈夫。モノアイの旦那(ダンナ)から頼まれて、、、助っ人」


 そう言って、ぽっちゃり、、、中年中肉中背の男は自分を指差した。


 「モノアイの旦那はちょい野暮(ヤボ)用でな、こっから日本橋までは、俺が案内するわ」


 佳穂の眼から、涙が溢れていた。

 本人も気付いて無いだろう。

 恐怖からの解放と男の優しさが、感情を揺すっていた。


 「オッサン! さっきからなんや! 勝手に(しゃべ)ってんちゃうぞ!」


 ぶちギレのビッグさん。

 それを横目に、ハイドロハイドはスマホを出していた。

 男が二人のEG使いを相手に、何の力みも無く前に立った。


 「最近のガキは、目上(めうえ)に対しての口の()(かた)知らんな。教えたるわ」


 そう言うと、ゆっくりと佳穂から離れながら、二人に向かって右手の甲側を見せ、その指先を二回、自分の方へ小さく倒す。


 強いモノがやる、“かかって来い”のジェスチャー。


 キマっているが、やってるのはぽっちゃりの、、、中年中肉中背の男。

 ヨレヨレの赤いトレーナー。

 聞いた事の無いメーカーのジーンズ。

 履き込まれた赤いスニーカー。


 「おいおいおい、勝手にイキってんなよコラ。オマエこそクソ負けて恥ずかしい事になんなよ!」


 ポスのカメラモードが、男を捉えた。


 「ほ~、、、」


 ハイドロハイドが、感嘆(かんたん)溜息(いき)を吐く。

 思ってもみない、()()が釣れたのだ。


 

   H N=先っちょ

   懸賞金=3,744万円

   属 性=火

   能 力=あらゆる物を接着

    式 =未確認



 画面を確認したら、ビッグさんにもポスの画面を見せた。

 賞金金額を見ても、ビビらない。

 さすが、自分たちも“一千万クラス”だと吹聴するだけの事はある。


 波動が、(うね)る。

 気合いを入れ直したようだ。


 「ご教授、願おやないか」


 そう言うハイドロハイドに、笑って(こた)える先っちょ。

 チラッと、佳穂を確認。

 うんうんと頷いた。


 先っちょは、安全と思われる位置まで佳穂から離れられた事に満足していた。



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