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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 五の章
129/192

参差錯落 壱 その2

 二人のEG使いにとって、いつかはヤらないとイケナイ存在。


 「へぇ~。なんやジブン、モノアイと知り合いか?」


 ハイドロハイドの質問に答えられるほど、佳穂の精神は正常を保っていない。


 「助けて! 助けて! モノアイ助けて!」


 追いかけながら、程よい距離を保つ。

 いつでも捕まえられるのに、捕まえない。

 いたぶる(ため)だ。


 相手が絶対に反撃できないと解った時に、よくある人間の行動。

 二人の男に、いたぶられる佳穂。

 その姿は、充分に興奮する。


 が、、、。

 5分もすれば、会話にならない佳穂を見ていて飽きて来た。

 (かわ)りに、こう思う。


 この女、殺そう。


 そう思うだけで、傲慢(ごうまん)興奮(こうふん)が湧き上がる。

 モノアイと知り合いってのが、余計にちょっと殺したくなった。


 「アカンて。結界(この)中でハデに動画上げたらそら狙われるわ。今な、ジブンに75万の懸賞金が掛かってんねん。小遣いに丁度えぇ感じやわ。それ、こいつと貰うわな」


 相棒のビッグさんが、合掌(がっしょう)する。


 「頂きます。そして賞金出たらご飯をいただきます」


 ハイドロハイドが、整った顔を崩して笑う。


 「おもろいおもろ~~い」


 立ち止まる。

 自分の身体を引き摺って逃げる佳穂に向かって、ハイドロハイドが腕を伸ばした。

 ハイドロハイドの、()()が、来る。


 「モノアイ、、、だ、誰か!」


 悲痛な、佳穂の叫び。


 「ムリムリ。オレらここら辺ではまぁまぁ知られてんねん。しゃーからちょっかい出してくる奴はおらん、、、て?」


 伸ばした腕の先、約6メートル先で泣き叫ぶ佳穂の肩に、優しく手を掛ける人物が突然視界に現れた。


 「!」


 腕を伸ばしたまま、固まるハイドロハイド。

 同じく、気付いたビッグさんの眼も鋭くなった。


 何時(いつ)

 どうやって?


 まったく気付かなかった。

 その手が、佳穂の肩に手を掛けるまで。


 「誰や?」


 現れた中年中肉中背の男は、優しい声で佳穂の名を呼んでいた。


 「佳穂ちゃん、ジブン佳穂ちゃんやんな? もう大丈夫。大丈夫やで」


 中年中肉中背、、、。

 と、本人は言っているが、第三者から言うと中年()()背。

 しかし、本人の意見を尊重する事にする。


 現れた男は、中年中肉中背。

 男が呪文のように『大丈夫』と言い続けると、佳穂の意識から恐怖が少しづつ()がれ始めた。



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