参差錯落 壱 その2
二人のEG使いにとって、いつかはヤらないとイケナイ存在。
「へぇ~。なんやジブン、モノアイと知り合いか?」
ハイドロハイドの質問に答えられるほど、佳穂の精神は正常を保っていない。
「助けて! 助けて! モノアイ助けて!」
追いかけながら、程よい距離を保つ。
いつでも捕まえられるのに、捕まえない。
いたぶる為だ。
相手が絶対に反撃できないと解った時に、よくある人間の行動。
二人の男に、いたぶられる佳穂。
その姿は、充分に興奮する。
が、、、。
5分もすれば、会話にならない佳穂を見ていて飽きて来た。
替りに、こう思う。
この女、殺そう。
そう思うだけで、傲慢な興奮が湧き上がる。
モノアイと知り合いってのが、余計にちょっと殺したくなった。
「アカンて。結界中でハデに動画上げたらそら狙われるわ。今な、ジブンに75万の懸賞金が掛かってんねん。小遣いに丁度えぇ感じやわ。それ、こいつと貰うわな」
相棒のビッグさんが、合掌する。
「頂きます。そして賞金出たらご飯をいただきます」
ハイドロハイドが、整った顔を崩して笑う。
「おもろいおもろ~~い」
立ち止まる。
自分の身体を引き摺って逃げる佳穂に向かって、ハイドロハイドが腕を伸ばした。
ハイドロハイドの、アレが、来る。
「モノアイ、、、だ、誰か!」
悲痛な、佳穂の叫び。
「ムリムリ。オレらここら辺ではまぁまぁ知られてんねん。しゃーからちょっかい出してくる奴はおらん、、、て?」
伸ばした腕の先、約6メートル先で泣き叫ぶ佳穂の肩に、優しく手を掛ける人物が突然視界に現れた。
「!」
腕を伸ばしたまま、固まるハイドロハイド。
同じく、気付いたビッグさんの眼も鋭くなった。
何時?
どうやって?
まったく気付かなかった。
その手が、佳穂の肩に手を掛けるまで。
「誰や?」
現れた中年中肉中背の男は、優しい声で佳穂の名を呼んでいた。
「佳穂ちゃん、ジブン佳穂ちゃんやんな? もう大丈夫。大丈夫やで」
中年中肉中背、、、。
と、本人は言っているが、第三者から言うと中年太肉低背。
しかし、本人の意見を尊重する事にする。
現れた男は、中年中肉中背。
男が呪文のように『大丈夫』と言い続けると、佳穂の意識から恐怖が少しづつ剥がれ始めた。




