紅朱同赤 陸 その16
術師としては、純粋にまゆらの秘密を知りたい。
「ほんなら、ボクが知りたい事を君が知っとったら教えたる。交換条件やね」
「ぼん! 勝手なこと言いなや!」
糸が怒るが、まるで気にしない。
「じゃ質問。“ハピハピ”って言うEG使い、知ってる?」
三木、頷く。
「お! 知ってる! そいつ何処に居る?」
「ちょっと珍晴!」
まゆらが慌てて引き返し、珍晴の脚にローキック。
「何やねん!」
「人の話し聞き!」
大袈裟に痛がりながら、文句を言う。
「今この人と話してんのん、見て解らんか!」
「ほんであぁしの事をベラベラ喋んのんか?! 男のクセにペチャクチャペチャクチャと、、、」
「はい~~セクハラ! 男のクセにって言うた!」
「黙れ!」
ローキック。
痛~~い! と叫びながらその場に座り込んだ。
「どう思う? まゆらって暴力女やんな?」
問われた三木が、それに答える訳もなく、、、。
「死ね!」
股間に蹴り。
「そこはアカン、、、!」
悶絶する珍晴をよそに、まゆらは三木に早くどっか行けと強い口調で言う。
紗結に肩を貸す格好で歩き出した三木に、珍晴がみじめな声を掛ける。
「なぁ! ハピハピどこにおるかだけ教えて~~!」
答える義務は無かったろう。
それでも三木は、振り返って教えてくれた。
「天王寺のサイラーに匿われているよ」
去っていく三木の背に、『ありがとうなぁ~』と手を振っていた。
「、、、ぼん、見てはったん?」
糸が、珍晴に聞いた。
無造作に立ち上がる。
今まで悶絶していたのは何だったのか。
「見てた観てた。相変わらずまゆらちゃんは、カッコイイねぇ」
「ぼんは、手伝わしまへんねやね」
「いや~見惚れてた&惚れ直してたわ」
言って、まゆらを正面から見る。
「キモいねん」
見られて、慌てて視線を外すまゆら。
庇うように、糸が珍晴に追い打ちの言葉。
「しょーもない男やねぇ」
ははは。と自称まゆらの許婚が、遠慮なく眼を合わせて来る。
「これはこれは、糸姫様も相変わらずお元気そうで」
「嫌やわ~、なんかざ~とらしい。まゆらちゃん、こないなぼんぼんに惚れたらアカンで」
「惚れるか!」
信じられないといった表情で、珍晴が絡んでくる。
「えぇ~何で? 自分で言うのも何やけど、ボクってかなりの高スペックなんやけど」
「もえぇって」
「それで思い出したけど、、、」
「ぼんは今の、ドコで何を思い出しはった?」
「そっちはそっちで、ちょっとゴタついてるんやて?」
「? 何でっしゃろ?」
「またまたぁ~。変に隠さんかったて知ってるって。これでも次期当主やで」
そう言って、胸を張る。
「ハピハピってEG使いを探してるんやろ? しゃーから代わりに聞いたったんや。嬉しい?」
「は?」
「え、、、?」
「はい?」
「あれ?」
珍晴は、マジで驚いていた。




