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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 四の章
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紅朱同赤 陸 その11

 さてさてと、まゆらは紗結の声をじっくり()()


 まゆらは、“知る”事が好きだ。


 術もたくさん知りたい。

 知らない術があったら、知りたい衝動を止められない。

 陰陽系を始め、三陰系や、魔術系、文献にあるものなら世界中の書物を漁ったが、そこには絶対に載っていない術がある。


 それが、EG使いの術。


 彼らは術を、誰にも、何人(なんぴと)にも教わらない。

 それなのに、術を発動できる。

 しかも術の思念となる()は、ほとんどがマンガかアニメだ。

 これは正当な術師はもちろん、まゆらも想像できない不思議な術を使う。


 それを、知りたい。


 EG使いに()うと、その衝動にいつも()られる。

 今も紗結の能力の解明に、胸がトキメイている。


 「いやん観てまゆらちゃん! これ凄いわぁ!」


 千年振りに呼び出された糸は、それ以上に興奮しているようだ。


 ちなみに、、、

 糸の眼は()われているので、、、って、そもそも実態は無いので人間的に“見る”のではなく霊が“観てる”状態に近い。


 そして霊体は神格化が進めば進むほど“神”と呼ばれる()()に近くなり、その存在同様、時間と場所の概念(がいねん)が無くなっていく。


 まゆらの左掌に居ながら、まゆらと同じ視線で観れるし、超越して俯瞰的(ふかんてき)に観ることも出来る。

 まったく都合の良い話しである。


 、、、で、二人が始めに感じた違和感は、どうやら正解だったようだ。

 これは、結界ではない。

 声を反響させるためのトンネル、、、のようなモノ。


 トンネルの中に、透明のキューブがあちこちに無数に浮いているのが解った。

 まゆらが空間に色を付けたおかげだ。


 そのキューブに紗結の声が当たると、声の速さと大きさが()になり、反射する。

 それがまた別のキューブに当たると、さらに倍。

 紗結が『目標』としたモノに当たるまで、反射を繰り返す。

 しかも、声だけに音速。


 それがキューブに当ると、倍加する。

 反射するごとに倍加する音の威力は、倍倍ファイトに強烈。

 その威力は先ほど、重さ43キロのまゆらを簡単に吹き飛ばしたので証明している。


 声は空気を、振動させて伝わる。

 その仕組みとEG波が上手くリンクして出来た術だ。


 今は目標が無いので反響させるためのトンネルが役目を果たさず、2~3度キューブに当たってある程度の速度に達したら、声を外に逃がしてしまっている。


 「紗結!」


 叫び続ける紗結に、まゆらが声を掛ける。


 「紗結、気持ち()えやろ? でもな、声を出しとうから気持ちようなったんちゃうねん。紗結、あぁしの()()()()()()()()()やねんで」


 紗結はキョトンとした。


 「そうなの? いや違う!! 、、そう、、、なの、え? あた、し、、、」


 考えると、吐き気がして来る。

 聞こえる声のままに従うと、気持ち良い。


 紗結の脳は、この女子高生の言う事を聞くと気分が良くなる、ということを意思では無く感覚で知ってしまった。


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