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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 四の章
119/193

紅朱同赤 陸 その10

 同じ呪言を使う術師、まゆらが何をしているのかが手に取るように解る。


 「強制催眠か、、、」


 三木が歯軋(はぎし)りをする。


 「わ~~って叫んだら、気分()うなるで」

 「、、、だ、誰が、、、貴、様の言う事、、、なんか」


 言いながら、紗結の頭の中で別の考えが浮かび始める。


 女子高生が言葉を発して、それに答える度にどんどん大きくなる考えがある。

 女子高生が何か言い、反応する度に大きくなるものがある。

 女子高生が何かを言うと、それに答えるのが当たり前に成っていく。

 女子高生の声が、耳に馴染んでいく。

 女子高生の、、、?


 ――この女子高生の言う事を聞いたら、気分が良くなる?


 そういう事かと、()()()()()()


 ――この女子高生の言う事を聞いたら、イライラ感が無くなる?


 「紗結、さっきみたいに叫んでみて」

 「誰が、、、」

 「紗結、叫んだら、どんどん気持ちが良うなる」

 「貴様の言うことな、、ん、、、か、、」

 「ほら紗結、さっきみたいに、ほらっ」

 「、、、、、、あ、、、」

 「なぁ? もう紗結の気分が良うなってきた」

 「、、あ、、、、ああ、」

 「3・2・1。はい!」


 気持ちを()かされる。

 気持ち良いと、急かされる。


 「、、あ、、、、、あ、ああ」

 「そう! 紗結、そうやで」

 「ああああああああ!」


 叫んだ。

 緊張が、(ゆる)む。

 (ほぐ)れる。

 叫ぶ。

 身体が、心が解放された。

 紗結は嬉しくなった。


 「そう! 遠慮せんでええよ」

 「ああああああ! あああああああああああ!」


 解放。

 歓喜。


 紗結が、嬉しそうに声を上げる。

 まゆらは、、、EG波を使い、宙に()()()()()()()


 声が放たれると、振動が空間を揺らすのが観える。

 色を付けたおかげで、空気を伝わる声の振動が波打つのが観える。

 どう動いているか、大きさまで。


 まゆらは、それを観てる。

 声を、観てるのだ。


 紗結は声を放つ度に、気分が高揚(こうよう)していく。

 ()められない、ヤめられない。


 もっともっとと、まゆらにけし掛けられる。

 そうすると、もっともっと話し掛けて欲しくなる。


 まゆらの命令()を聞くと、喜びの感情が止まらない。

 言われれば(のど)(つぶ)れるまで、その行為を止められないだろう。


 カンペキに、()()()


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