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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 四の章
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紅朱同赤 陸 その8

 一瞬でまゆらの前に、半透明で六角形の光る板みたいなものが出現。

 大きさは15センチくらい。

 それが(いく)つも(つな)がって、六角形がより大きな六角形を作る。

 ()えてこれ見よがしに披露(ひろう)した。


 ――あれが物理攻撃を防いだモノか、、、


 三木は思い当たる術を頭で探したが、辿(たど)り着けなかった。

 対して、まゆらは“声”を使った攻撃に興味津々。


 六角剛竺(ろっかくごうぢく)


 物理攻撃、術式物理攻撃のどちらも防ぐ優れもの。

 これを出しとけば三木の攻撃は勿論、多分あの声にも吹き飛ばされないだろうと推測。

 何でも順番にひとつ一つ解決していきたいのが、まゆら。


 今、声の仕組みを知りたい。

 受けた感触は間違いなく、EG波。

 実際に術を当てられて、肌にピリピリ感がある。

 EG波特有のものだ。

 この感覚は一般的なものではなく、あくまでまゆらの感覚。


 「貴様、、、よくも三木様を、、、!」


 後ろの闇から、女性の声が聞こえた。

 叫び声の主だ。

 まゆらを、吹き飛ばした声。


 「は~ん、()()()()()()でっかw」


 後ろから聞こえる女性の物言(ものい)いに、糸はピンっ! と来た。

 だって言葉に感情が乗り過ぎている。


 「え? どういう関係?」


 自信()()(こた)えた糸に、何で解ったんだと思わず聞いていた。


 「お子ちゃまにはまだ早いかのぉ~~」

 「(にぎ)るで!」

 「()っわ! まゆらちゃん怖っっっわ!」


 ふたり言い争う間に、三木は後ろの女性に声を掛ける。


 「良いんだ、紗結(さゆ)


 冷静になれと、三木は落ち着かせる。

 紗結と呼ばれた女性は、それでもこの女子高生にハラワタが煮えくり返っていた。


 敬愛なる“我が主”に刃向かい、あろう事か地面に転がせた(ゆる)(がた)所業(しょぎょう)

 気絶するまで殴り続け、全ての歯を折るまでは許さないと、今決めた。


 「紗結、、、」


 まゆらが、呼んだ。


 ――!!!!!

 ヤバい! と三木は後悔した。


 紗結! (こた)えるな、、、! と叫ぶ前に、彼女はまゆらの言葉に、脊髄反射(せきずいはんしゃ)してしまった。


 「オマエが私の名を呼ぶな!」


 紗結は()()()で、まゆらを(にら)んだ。

 呪言童子に対し、絶対にやってはならない事をしてしまった。


 名を呼ばれ、反応する。


 術師(まゆら)との、コミュニケーションが成立した。

 二人の間に、“意思の線”が結ばれる。


 「はい。いただきました」


 糸、したり顔。



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