紅朱同赤 陸 その7
術師は常に、考え続けなければならない。
そう教えられた。
その教え通り、まゆらは思考を奔らせる。
どうやってヤられた?
何で吹っ飛ばされた?
受けた印象は、まるで丸太棒で殴られたような感じだった。
、、、いや実際に丸太棒で殴られた事は無いけど。
考えられるのは、、、。
――声?? 呪言じゃないのに、、、?
まずは体勢を整える。
と、ここまでを吹っ飛ばされた宙で考えているまゆら。
つまり、1秒も経ってない。
身体を捻り、なんとか足から着地。
スグ片膝立ちで身構え、三木の位置と女性の位置を確認し第二波に備える。
――やっぱ動いて無い
三木の後ろの女性が、その場で息を吸い込んだ。
EG波の、畝りが増す。
糸も察知し、思わず叫ぶ。
「来ますえぇ!!」
「あああぁあああぁぁあ!」
――やっぱ声や!
まゆら、知りたいモード発動w
――?! 声にエレクトリック・ゴーストを乗せとう!!
これは初見だ! とウキウキ顔をしたのを、糸に指摘される。
「ニヤ付いてんと! またヤられまっせ!」
ハッとして、いかんいかんと身構える。
、、、でも?
今度は斜め上から来た!
鈍ッ!!
予想外の角度からの攻撃に身体を丸めて防御はしたが、まゆらの身体は軽々と3メートル吹っ飛ばされた。
衝撃に耐えきれず、さらに地面を転がった。
「くっ!」
素早く起きる。
第三波に備え、顔を上げた。
「!!」
マジマントのマントが翻っていた。
飛び掛かる姿勢のまま、右手を振りかぶっている。
またも容赦のないパンチが、、、来る!
――アンタは別に、、、
スウェー気味に退りながら、左手で三木のパンチを逸らす。
当たるハズの拳が空振ったため、三木はバランスを崩した。
顔が、まゆらのすぐ横に来る。
「わぉ♡」
今のは糸。
まゆらは三木の頭を、上から右手で軽く引くように力を加える。
簡単に倒れた。
今度はまゆらが容赦なく、三木の顔面を踏み付けにいく。
「あああああぁあああ!」
――声! 後ろ?!
踏み付けようと片足を上げたポーズのまゆらを、あの声が襲う。
今度は、横からだ。
反応が遅れる。
吹っ飛ばされる。
受け身を取って立ち上がる。
視線の先で立ち上がった三木が、倒れた際に付いた汚れを叩いてるところだった。
「高等な術師は高度な武術師。結界内で流行ってる言葉だっけ」
まゆらの体術に感心した、素直な気持ちだった。
キザなセリフとマントが微妙なバランス。
糸は握られるのが嫌なので、めちゃくちゃツッコミたかったがツッコミはしなかった。




