紅朱同赤 陸 その3
姿を現すマジマントを、睨む。
「おや? 何をするんか、解りはりますのんか?」
「全部とは言わないが、、、」
「当てれたら、止めたっても宜しおすえw」
糸、勝手に交渉。
いつもの事なんで、まゆらは文句を言わずに傍観。
マジマントが喋り出す。
「宙に描いた文字は呪文字。さらに指に息を吹きかけたのは、思念と呪文字を結ぶための印。二本指での操作は攻撃系にありがちな動き。地面に置いた呪文字に指令を出すトリガーにするためだ」
「横文字で言いな。ま、正解でんな」
マジマントが、見た。
ぼさぼさ頭。
マスク。
神戸の百舌鳥ヶ丘高等学校の制服。
くるぶしの少し上まである長いスカート。
そこから覗くジャングルブーツ。
――本当に、ジャングルブーツだ
間違い無い。
「土御門の“呪言童子”、安倍まゆらだね」
「ほんだら何でっしゃろ?」
マジマントの予想通り、、、っていうか、結界内外で広がってる噂通りの格好そのままなのだから、誰が見ても安倍まゆらだ。
マジマントの確認作業は続く。
「その《《変な》》京都弁は、加茂家の工場長から“貰った”という晩霜院暦糸姫だな」
「小僧っ子が、サマを付けんかいな、、、!」
マジマントの言葉に反応し、まゆらの周りの空気が強張る。
糸から見ればそーとー年下の小僧に呼び捨てにされ思わず口調が荒くなったが、それに反応して、、、ってか、それより速くまゆらの波動が反応したのを感じて糸はちょっと嬉しくなった。
――なんやかんや云うて、まゆらちゃん、あてのことスキやんw
糸、ご満悦。
ならば大人な対応ってのを見せてやるかと、お道化た口調で言葉を発し、緊張感を少し和らげた。
「あんたはん、トップシークレットなあてを知ってはるっちゅうことは、アレでんな」
マジマントは、方眉を上げて聞き返した。
「アレ?」
だらりと下げられたまゆらの左掌から、相変わらず変なエセ京都弁が聞こえてくる。
「EG使いやのうて、“術師”でんな」
笑った。
「あらあら、笑った顔もなかなかのイケメンでんがなマジマントはん」
「隠すことも無いから言うと、まゆら君と僕は同業で同種の術師だ」
まゆらの眼が、反応した。
だが、応えたのは糸。
「これはこれは、、、こっちでは聞きなれへん関東訛り。その時点でキライやわぁ」
頷くまゆら。
そこは糸と、同意のようだ。
「で、アンタはんは何方ぁ? お名前はぁ?」
まるで園児にものを訪ねるように、糸がマジマントに聞いた。
「失礼。若生院港屋敷で呪言師を頂いた、三木浩介だ」
若生院家。
まゆらは知らないが、糸は知っている。
肉体を持っていた千年ほど前に、権力争いに破れ京を追われた一族、、、。
そこの、“師”クラス。
これも糸は解っている。
そこら辺の“師”クラスなんかより、“童子”であるまゆらの方が圧倒的に強いということを、、、。




