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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 四の章
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紅朱同赤 参 その10

 太腿(ふともも)の付け根を上から抑えているナベアツは、声を出さないように唇を噛んでいた。

 ちょっと、血が出てる。


 「そいつの居場所は?」

 「それは、、、有名っスけど居場所までは、、、噂程度でえぇんやったら、、、」


 ルネの顔が、一歩近付く。

 コーデュロイの()()が、硬直した。


 「良き♡」


 嬉しそうに答える。

 すでに下僕(げぼく)と化していた。


 「ハピハピは天王寺のサイラーに飼われてるらしくって、そこでEGユーチューバーしてるっス。サイラーはEG使いの仲間がいっぱい欲しいから、ハピハピの能力でEG使い増やして天王寺に呼んで仲間にしようとしてるらしいっス」


 「何で?」


 「戦争したいみたいっス。天王寺の駅周辺は確かにサイラーが仕切ってるけど、動物園に住み着いてるエレクトリック・ゴーストをちゃんと片付けんと誰も認めんと思いますわ」


 「へ~、、、」


 「それに通天閣のモータルフラワーとは前から仲悪いし、反対側には僥倖のおっさんと、もうちょっと先に桃谷のツインピンクスが居てるんで、意外と肩身の狭い感じで、、、武闘派っつうレッテル張られてますけど、実際ホンマに暴れてるとこ見た(もん)()らへんし」


 「ほ~」


 「でも口癖は、いつか結界内最強の使い手、弁天町の“京弁天”を()るって言うてます。それで兵隊集めのため、ハピハピでEG使い増やして(うま)いこと言うて、自分のチームに入れようとしてる最中っちゅうのがもっぱらの噂っス」


 「なるほど。一応(いちおう)、スジは通った話ね」

 「ですです」


 もっと何か質問してくれと、コーデュロイは尻尾を振ってるようだった。


 「で、あなた達はここで、何をしてたの?」


 もっともな、ルネの質問だった。


 「はい。今日、結界内に入るって言う動画の女を追いかけてました」

 「あれ?」

 「ほんだら変なヤツら出てきて、ちょっと戦闘なりました」

 「、、、あれあれ?」


 急に曇った顔になったルネに、コーデュロイは(あせ)りだした。


 「ルネ様どうしました?! 何かボク、変なこと言いました?!」


 と、目の前にルネの手が出た。

 掌を、すっと顔の前に立てられた。

 コーデュロイには解った。


 これは、“待て”だ。


 へっへっへっへっと尻尾を振るコーデュロイ。

 ナベアツは、相変わらず歯を食いしばっている。

 二人から視線を外し、ルネ、思案中、、、。


 ――アブな~~い。忘れてた。そうそう動画の女の()。銀のスーツは撃ったから、あとコイツをどうやって撃つ流れに持っていこうか考えてたら、仕事を忘れてたwww


 楓に怒られるところだったと、ルネはコーデュロイに耳元で感謝した。


 「あなたナイスよ」

 「あああぅううう、、、」


 今のは、コーデュロイが絶頂した声。


 「動画の女は、どっちに行ったの?」


 小刻みに震え終えると、天満橋方面を指さした。


 「サンキュ」


 言いながらルネの唇が(すぼ)んで、上唇と下唇が一度くっ付いて離れる音がした。

 その音とは、、、。


 「ちゅっ」

 「あああぅううう、、、」


 コーデュロイ、連続の本日二回目。

 ナベアツとは番う意味で崩れ落ちたコーデュロイに背を向け、ルネは新たな獲物の匂いのする天満橋へ歩き出していた。



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