平穏の陰

平穏の研究をする父と、人形技師の母を持つ少年が主人公。
両親の教えを信じて真っ直ぐに育っていた少年は、初等学校で謂れなき暴力の被害に遭い、中等学校で一目惚れした先輩を自殺で失い、しかし高等学校でその先輩とそっくりの「人形」に再会するという奇妙な出来事に遭遇する。
人形の口から、世の中の平穏のためには生贄が必要であり、その贄となるのが人形だと涙を流して語られるのを目の当たりにした少年は、両親の仕事に疑念を抱き、父から訊き出そうとするもそれが仇となって一時は殺されかけてしまう。
しかし悪運強く生き延びた少年は、自身の復讐のため、そして生贄の人形たちを解放するために、父を殺す決意をする。