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MASK 〜黒衣の薬売り〜  作者: 天瀬純
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学生と祠 《帰還》


「……ん」


 目を覚ますと、小さな祠があった()()()()ではなく、テントの中で横になっていた。坂井を追いかけに行ってからそれなりに時間が経っているはずなのに、テント内は心地いいくらい温かった。横を見ると坂井と茂田が同じように寝ている。


(夢…?)


寝落ちして変な夢でも見ていたのだろうかと考えていると、頭上から黒い封筒が1通降ってきた。


「え?」


思わず上を見上げてみるが、何もなかった。封筒を開けると、なかに手紙が入っていた。


『どうも。ご友人に矢を射った鬼です。


 本来は人間たちが立ち入らないように隔絶された妖やそれ以外の者たちの住処である()()()()に皆さんがどのような因果なのか踏み込んでしまわれたことで、()()の怒りを買い、1番波長の合うご友人に祟りを刻み込まれたようです。


 ご友人に使用した矢は【祟り(くだ)し】というお薬で、身体の内側から祟りを浄化して排泄する効果があります。何日か安静にしていれば、これまでのように日常生活を送ることが可能となります。


それでは、よいお年を


P.S. ご友人方のお怪我は、私のほうで手当てをさせていただきましたので、ご心配なく』


(……よいお年?)


手紙の最後の言葉に疑問を抱いた僕は、スマートフォンで日付と時間を確認してみた。


12月31日 午後11時13分。


感覚的には2時間ぐらいは経過しているものだと思っていたが、手紙に書かれているように隔絶された場所であったのなら時間の流れも違うのかもしれない。


(う~ん。そうは言っても混乱するなぁ~)


何よりも信じ難かったのは、年の瀬に鬼と遭遇したことだ。随分と不思議な出来事だった。


それにしても、


今時の鬼って


上下黒のスーツを着ているものなのか?


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