第2話 チートスキル「完璧の知恵」
異世界転生!実は島津日新公いろは歌の中には異世界転生に関する教えと、今を生きることの大切さを伝えています。
今辛いのは、前世の行いの影響なので今頑張れば今と来世につながる、そんな教えもあります。
今まで戦国島津の内容の小説を二つ書いた著者ですが、今、空前の異世界転生ブームを見て思わず書いてみたいと思いました。
ただ、実在の島津のキャラを書くと大人の事情でいろいろ問題が出そうなので(笑)比較的無難な人物に異世界転生してもらうことにしました。
あえて、本編では名前を出していませんが、中国から紙上談兵の趙括、泣いて馬謖を斬るの馬謖、そして日本からは朝倉義景と武田勝頼、以上四名の大活躍を書こうと決めました。
歴史的には、悪名、あるいは愚者として扱われる人々ですが、最初に書いた通り、人は転生して今を生きることに意味があるということを異世界で示したいと考えました。
なお、興味深いことに、島津いろは歌には、歴史上の偉人も我々と同じ人間なのだから、努力次第で追いつくことも出来るという意味合いの教えもあります。
前世において、不幸にも不運と間違いが重なった彼らも別の世界で努力すれば素晴らしい結果になるのは疑いありません。
その道筋をこの小説で示したいと思います。
なお、スタート地点は「輪」という名のドワーフの島国、そして過去二回外国との争いで負けた国という設定の地からスタートなので決して恵まれているわけではありません。
そして、野蛮で残虐なゴブリン帝国連合群がドワーフの国を狙います。
その時、古の英雄になり損ねた四人はどのように行動するのか?
そしてこの争いから漁夫の利を得ようとする東洋風国家「義」の国
さらにこの異世界には経済、軍事の半分以上を占める美麗七州国というラスボスとその頭脳である超古代の異物、マザーコンピューターがあり、覇権を常に握っています。
そのようなかつてない大敵相手に負け組四人衆とその仲間たちはどうなっていくのか?
ご期待下さい。
遠い昔、戦で死んだ若者は異世界の女神から「馬括」(ばかつ)という名前をもらいました。
さらに、女神は若者に語ります。
「あなたにスキルを上げましょう、あなたに付加する能力は・・・」
「そうね、完璧の知恵を授けましょう!」
馬括は不思議そうに尋ねます。
「完璧の知恵とは何ですが?」
女神は「完璧の知恵とは完璧の知恵です!あなたが異世界に行く前にはあなたはその力を理解することでしょう」
馬括は疑問に思いながらも女神の話を聞く姿勢を保っています。
彼は恐ろしい体験をした後なので、前の世界にいた時の傲慢さをこの場ではひそめていました。
女神はそうした馬括の心を見透かしたかのように、挑発する言葉を告げます。
「馬括はずいぶん丁寧に私に接していますね、それは感心です!」
「でもまた悪い癖が出るといけないので勉強する機会を与えましょう」
女神の上から目線の発言に不快感を持ちつつも、馬括は慎重さを保つべく質問します。
「私はこう見えても、優秀な人間です!いったい何の勉強をする必要があるのですか?」
女神は笑いながら諭します。
「馬括も少しは元気が出てきたようね、でもあなたの優秀さがどのような結果を出したか、もう忘れたのですか?」
馬括は「うっ」とうなだれます。
彼は過去を思い出すたびに強烈な心身の痛みを感じる体になっていました。
女神は続けて「あなたがもし自省をするなら、これからあなたに知識と仲間を与えましょう」
「でも、もしあなたが過去の結果を認めないなら私はあなたに興味を持つ理由がなくなります」
「あなたは新たな道を歩みますか?それとも過去に囚われ未来を捨てますか?」
体に痛みを感じつつ、馬括は首を横に振り、それから跪いて礼をしつつ
「私は生まれ変わります、そのために自省が必要なら痛みと共に受け入れます」
女神は満足そうに笑みを浮かべつつ話を続けます。
「あなたはまだ若いようですね、でもそれで良いのです、あなたには今、完璧の知恵を授けましょう」
女神は両手を広げました。
すると周りが虹色に染まり、光が馬括に降り注いでいきます。
数秒の後、風景は元に戻りました。
女神は説明します。
「今あなたに完璧の知恵を授けました、これはあなたの良く知る人物が持っていた能力で、慎重さと大胆さを判別し、正しい行動が選択できる能力です」
「これであなたは今までのように傲慢で思慮の浅い行動を制御することが出来るでしょう!もちろん、あなたが自らを制御できればという条件付きですが」
「さて、馬括よ!あなたには前の世界の神々の所に一度戻ってもらい、勉強をしてもらいます、それはあなたの生まれた時代より約2000年後の世界」
「そこであなたはあなた自身と仲間について学んでくるのです、それが終了してからもう一度私の所に仲間と共に来るのです」
「そうしてはじめて転生の準備が整います」
馬括はさしあたりの道筋が見えて安心したのか
「女神様、よく分かりませんが今度はきちんと勉強して優れた者となり歴史に名を残して見せましょう!ではまた後日」
こうして、馬括は自分の世界の神の空間に送られていきました。
馬括がいなくなった後、女神は馬括の世界の神々と連絡を取りました。
「あと3人ほど、え~、以前審査して合意した彼らを送ってください、恐らくそれで私の世界の天下泰平を築く物語が始められそうです」
馬括の世界の神々がその言葉に対して「あなたももの好きですね、わざわざ敗軍の将を集めて天下泰平を築かせようとは!」
「確か彼らを送る世界の年代設定は我々の世界で西暦2000年前後の文明だとか、さすがにムリゲーではないですか?」
女神は「人間はダメな時はとことんダメですが、覚醒すれば素晴らしい働きをする生き物です」
「それを証明するのが私たちの楽しみではありませんか?」
と問いかけつつ微笑みました。
この話は中国と日本の英雄を、しかも具体名を出さずに書くことで、出来るだけ多くの中国と日本の読者の皆様にご覧いただきたいと思っています。
とりわけ、国家間の戦争という話と、その後の、戦争なき覇権争いについていえば、現代の私たちの世界にも通じるものがあるかもしれません。
私が気づく範囲で中国の方にも楽しめる内容にするように工夫したので、もしよかったら仲間の皆さんにも本作を紹介、愛読していただけたら嬉しいです。
中国人と日本人二人ずつ、そして助っ人を加えてどちらの国の皆さんにも楽しめるような筋書きを描きたいと思ってますのでどうぞよろしくお願いします。
この話は中国と日本の英雄を、しかも具体名を出さずに書くことで、出来るだけ多くの中国と日本の読者の皆様にご覧いただきたいと思っています。
とりわけ、国家間の戦争という話と、その後の、戦争なき覇権争いについていえば、現代の私たちの世界にも通じるものがあるかもしれません。
私が気づく範囲で中国の方にも楽しめる内容にするように工夫したので、もしよかったら仲間の皆さんにも本作を紹介、愛読していただけたら嬉しいです。
中国人と日本人二人ずつ、そして助っ人を加えてどちらの国の皆さんにも楽しめるような筋書きを描きたいと思ってますのでどうぞよろしくお願いします。
登場人物
司馬馬括 長男 紙上談兵の人
司馬趙謖 次男 泣いて○○を斬るの人 登山家
司馬信景 三男 一乗谷 越前の朝倉の人
司馬信頼 四男 甲斐の虎の四男