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第14話 まことのうつけ

1560年と1570年、たった10年のスタートの違いですがもう何回国が滅んだか忘れるほどに信景も四郎信頼もゲームをプレイしました。

彼らの持つスキル、魔王の決断と魔王の行動、そして虎の兵法を遠慮なく駆使してもどうしても滅ぼされてしまいます。


モブ神はロックマンの曲を口ずさんでいます。

「何回やっても何回やっても倒せないよ♪あの魔王何回やっても倒せない~」

実はこの何の変哲もない歌詞にこのゲームがクリアできない秘密が一つありました。


それは「魔王!」です。

実は1560年シナリオの時点で、モブ神はこのゲームのAIを娯楽用の極級から本物のうつけ、つまり魔王そのものの考えを入れていたのです。


この時点で信景のチートスキルと同等かそれ以上の能力を持ちます。

そしてそれは四郎信頼がもつ虎の兵法よりも国を強く豊かにする能力でした。


でも1560年の設定の時はクリアできたじゃない?

そう、疑問に思う読者の方もいるでしょう。

まさにその通りで、モブ神が二人の英雄に伝えたいもう一つの点がココにあります。


それは、物量の差が大きいとどんなに頑張っても戦は勝てないという真理でした。

1560年スタートだとうつけの国と信景らの国は同じくらいの国力でした。

しかし1570年になるとうつけの国は三倍以上、タヌキの国とも差がついていました。


これが娯楽用のコンピューターゲームなら、プレイヤーに合わせてギリギリでクリアできるように設定を甘くします。


しかし現実ではそのようなわけにはいきません。

モブ神は物量の差、言い換えれば資金や兵糧、兵力の差が大きいと勝負にならないことを彼らの頭に焼き付けておきたいと考えていました。


それと、この考えは異世界の女神からのオーダーでもありました。

以前から書いている通り、女神は四郎信頼を贔屓にしていましたが、彼は機動力と戦闘力に長けた一流の名将であるがゆえにこうした戦いの真理を軽んじたり忘れたりすることがあることを知っていました。


ゆえに、特に彼にその事実を十分理解してから異世界で活躍して欲しいと願ったのです。

もちろん信景も四郎信頼も自分が神から勉強を教わり、成長したのを実感しています。


だからこそ、その恩義に報いるためにもこの戦い、勝たねばならないと必死に頑張りました。

でも今説明したように、神が望んだのは成長したことを示すことではなく、その先の絶望的な未来でした。


なぜ、女神がこのような事をこの二人に課したのか、その本当の理由は遠い未来に明らかになります。

読者の皆さんもどうかそれまでこの作品にお付き合いください。

戦に勝つとはどういうことか?その時きっとご理解いただけると思います。


戦国大名は負けず嫌い!しかしさすがの信景や四郎信頼もこのゲームはクリアーできず、降参しました。

流石に腹を切る真似はしませんでしたが、精神的に相当やられたようです。


モブ神は励ますような感じで言葉を告げます。

「あなた方は成長しました、前世のあなた方なら1573年よりも前に滅びていたことでしょう、それがこれだけ粘ることができたのですから立派な事です」


さらに言葉を続けます。

「ネタ晴らしをすると、今回の敵はまことのうつけ、いや、魔王と天下人が相手だったのです。あなた方は彼らを相手に10年近く粘りました。立派です!」


信景も四郎信頼も魔王と天下人についてすでに後世の記録と歴史を学んでいます。

成長し天下に足跡を残した二人相手に善戦したということは、彼らが能力が劣るという意味での「悪名英雄」ではないことを示しました。


さて、次はあなた方に別のゲームをやってもらいます。

今度は馬括や趙謖と一緒に頑張ってみて下さい。

四英雄たちに新たなゲームの課題が課されました。

次はあの「三国志」です。


馬括と趙謖が一緒に礼の三国志を先行してプレイしています。

次回はその様子からスタートです。


登場人物 

司馬馬括しば ばかつ       長男 紙上談兵の人    

司馬趙謖しば ちょうしょく    次男 泣いて○○を斬るの人 登山家

司馬信景しば のぶかげ      三男 一乗谷 越前の朝倉の人

司馬信頼しば のぶより      四男 甲斐の虎の四男

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