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第11話 丞相の勤勉対完璧の知恵

馬括と趙謖の不毛な3日の論戦に精神的に疲れ果てた両名。

しかしここでモブ神の2人(ただし分裂してるので実質一人)が彼らに恐るべき提案をしました。


それは「彼らの持つユニークスキル、丞相の勤勉と完璧の知恵でたいけつしてはどうか?」というものです。


これにはさすがの馬括と趙謖も驚きましたが、せっかくもらったスキルなので試したいと両名は思い、第二ラウンドが始まりました。


泣いて○○を斬るの趙謖が丞相の勤勉を使ってかつて自分が犯した罪を数え上げるといういわば自己反省会を最高級の教師にさせる行為でした。


彼のスキルが発動して次々に論点が示されます。

命令違反、副将との意思の疎通の欠如、敵前逃亡、処刑前の逃亡、上司の信頼を裏切ったこと、その他もろもろの罪や欠陥を並べ立てられます。


趙謖は自分のスキルである丞相の勤勉の勝利のためとはいえ、精神的最上級の拷問を受けました。

丞相の勤勉は彼の知ること以外にも後世に伝えられた悪評も含めて罵倒し煽りまくりました。


それを聞いていた馬括、最初は生意気な趙謖が精神的ダメージを受けているのを涼し気に見ていましたが、丞相の勤勉の効果があまりにえげつないのでさすがに彼を気の毒に思いました。


しかし、彼は人の心配をしている場合ではありませんでした。

次は馬括の特殊スキル完璧の知恵が彼の過去の悪行を罵倒します。


数十万の人殺し、敵に利用された単細胞、歴戦の老将をないがしろにした若造、「紙上に兵を談ず(丸暗記するだけで、その応用を知らない)」


琴柱ことじにかわす(融通が利かないの意)」

敵に愛され、味方に憎まれた男、生きてることで母を泣かせ、死ぬことで悩みを取り除いた男


手柄を独り占めする愚か者、ほんと融通の利かないたわけ者、王の期待を100%裏切る男、この男に兵や国の大事を任せてはいけない。

その他、完璧の知恵も丞相の勤勉に負けていません。


ちなみに完璧の知恵の中の人は丞相の勤勉の中の人と異なることがあります。

それは馬括の生前に彼を重用するなと病をおして王に進言したのです。

どちらのスキルも口が悪く容赦がありません、


何せ両方とも熱烈な愛国者だったために国家の損失や兵の消耗を何よりも嫌いました。


さて、この勝負どちらが勝ったのでしょうか?

モブ神二人はコソコソ相談しています。

もちろん元々一人の神ですから相談の必要はないのですが、物事には形式とか演出が必要です。


ちなみに馬括の方も精神的にダメージを強く受けたようです。

2人とも跪いていて、精神的にボロボロな状態を隠す事すらできませんでした。


では、丞相の勤勉対完璧の知恵の対決の勝者は!?

ドラムの音 ドルドルドルドルドル・・・じゃん!


完璧の知恵の勝利です!!!

パンパカパーン!!!

ここでモブ神その1が解説します。


「丞相の勤勉の方は丞相本人が任命したということで、責任が分かれました!」

「それに対して完璧の知恵の方は敵の工作は会ったものの、基本的責任はほとんど馬括のうちにありました。この差が大きかったようです」


さて、スキル対決は完璧の知恵を持っている馬括が勝ちましたが、これはいいかえると馬括の方が失敗の責任が大きいという意味なので馬括はさらに落ち込みました。


では趙謖はというと、あまりに自分と馬括の罪が重いのでこれまた精神的なトラウマを植え付けられました。

モブ神はその様子を神が持つテレパシーで異世界の女神に送りました。

その際には一言言葉を付け加えました。


「これで若くて融通の利かない馬括も、浅慮で失敗した趙謖も己を自省することが出来て、そちらの世界ではより使える人材になるでしょう」


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