表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/55

馬括、汚名返上

前世において悲劇的な最期を遂げた英雄たちにチャンスを。

異世界の女神が彼らにそれぞれのチート能力を授け、自らの現代基準の世界に放つ。

目標は汚名返上、彼らの生きた戦国とは別の時代、政治、戦争で彼らはどのように活躍するのか、そして彼らに立ちふさがる敵、そして異世界のラスボスとの対決から今の時代を見直すことが出来たら、作者としては幸いです。

かりける今の身こそは先の世と

おもへばいまぞ のちの世ならん


今の世の中の苦楽は、前世の生き様である。従って、今の世の中を一生懸命に正しく生きていくことで、来世も希望に満ちた素晴らしい人生を送ることができるという意味です。


島津いろは歌意訳

現世での行いを大切にすることで、来世に生まれ変わった自分へ徳を渡すことができるという「因果応報」の教えが、この歌にはこめられています。



舞台は2000年以上前、とある国の戦国時代!

ある若者が歴史に登場しました。


彼は若くして、名声を得て王と民衆の期待を一身に背負っていました。

当時、彼の国は戦争状態にあり、一人の老将軍が国家規模の大軍を率いていました。

しかし、老将軍の慎重な采配に王も民も不満を持っていました。


その時、その若者を老将軍と交代させようという声がどこからともかく沸き上がり、王もその気になりました。


ここで若者の視点に変わります。

「俺様は優秀な将軍になれる!老いぼれの将軍では敵を打ち倒すことはできない!だが俺は違う!!!見事敵を撃ち破り大勝利をしてみせよう!!」


若者は自分の国だけでなく、当時最大級の兵力を率いることになりました。

敵もまた当時覇権をとなえる強国であり、天下分け目の戦いとなりました。


ここから、走馬灯のように若者の記憶が映し出されます。

飢え死にする大量の味方の兵士!

味方同士で争い、死んだ者、殺したものを焼いて、あるいは生で食する兵士たち!


俺の気力も初めの充実さが嘘のように苦しい。

腹は減り、視界は狭くなり、胃は痛み、苦しさがジリジリと自分を追い詰める。


もう限界だ!

部下に命じて、何とか動けるものをかき集めた俺は敵陣に向かって突撃する。

よし、道は空いている、ここを抜ければ本国に連絡も取れるに違いない!


そう思った刹那、多くの、まるで空を覆わんがばかりの弓が俺を襲う!

無数の矢が体のいたる場所に突き刺さる!

痛い!苦しい!!辛い!!!もう殺してくれ・・・


若者の痛みはそこで終わりますが、彼のまぼろしはまだ続きます。

数万の味方の兵が降伏し、首を斬られ穴埋めにある光景が延々と続きます。

そして数百名の少年、少女たちがその風景を見るよう厳命され、死んだような目でそれを眺めています。


さらに舞台は変わり、涙をボロボロ流し嗚咽する母親の姿。

敵軍に攻め込まれ、混乱する若者の国の首都の様子。

そして、若者の国の王が虜となり、彼と戦った敵国に降伏する光景・・・


若者は泣き、叫び、嗚咽し、そして悔やみました。

「なぜこんなことになった!俺のせいなのか?くそう、二度とこんな思いをするもんか!!!」


ここで若者は意識を取り戻しました。

顔を上げると、左右に人々が並び、真ん中奥には女性が見えました。

女性の美しい声が聞こえます。


「馬括」 (ばかつ)

「 馬括よ!」

「目が覚めましたか!」


若者は答えます。

「俺の名前は✖括だ!馬括ではない!!あれ?なんで自分の名前が出ないんだ?」


女性は穏やかに言います。

「あなたの名前は私の前では馬括です、大事な事なので忘れずに覚えておきなさい」


若者は問います。

「あんたは誰だ、ここはどこだ!!」


女性は答えます。

「私は女神!あなたの思考で説明するなら天帝が少し近いかしら、ただし私はあなたの世界の天帝、神ではありません、別の世界の神です」

「私があなたに問うのは一つ!前世から学び私の世界で生きる覚悟はありますか?」


若者は間髪入れず答えます。

「もちろん、お願いします」

若者もなぜ自分がこの時即答したのか、後で不思議に思いました。


しかし、彼は心身共に飢えていて、もらえるものなら何でも欲しい、もう二度と死ぬ前の苦しい思いをしたくない。

それが今の彼のすべてだったのかもしれません。

この話は中国と日本の英雄を、しかも具体名を出さずに書くことで、出来るだけ多くの中国と日本の読者の皆様にご覧いただきたいと思っています。

とりわけ、国家間の戦争という話と、その後の、戦争なき覇権争いについていえば、現代の私たちの世界にも通じるものがあるかもしれません。


私が気づく範囲で中国の方にも楽しめる内容にするように工夫したので、もしよかったら仲間の皆さんにも本作を紹介、愛読していただけたら嬉しいです。

中国人と日本人二人ずつ、そして助っ人を加えてどちらの国の皆さんにも楽しめるような筋書きを描きたいと思ってますのでどうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ