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恋愛~ちょっとした恋物語たち~

詩みたいな、ファンタジー作品です。

ポケットの中に鍵を忍ばせて


何処に繋がるかも


開くのかもわからない


そんな鍵を忍ばせて


鍵穴ばかりが並ぶ空間に


夢で辿り着く


様々な鍵穴たち


鍵は


わたしの手の中で


無数に形を変えている


鍵のルーレット


「お願い、あの人の所へ……!」


願うと


鍵の形は定まった


ずっしりとした


ハートの形の鍵


探す


探す


この鍵穴は一体どれなの……!


走って


走り回って


探し回って


疲れ果てた時


目の端に


何かが光った気がした


仄かに光る鍵穴が一つ……


微かに


君の気配がする


呼んでいる気がする


だが


「届かない……!」


遥か上空に浮かぶ鍵穴は


小さく


手が届かないくらい


遠かった


わたしは思わず座り込む


涙が


ぽたり


と一滴


一滴


無機質な石の床に染みを作る


「いや、いやよ……。貴方に逢いたいの……」


涙は止まらない



しばらくして


上から声が聞こえた気がした



『そんなに会いたいの?』


光の輪が


輝きながら


言葉を発していた


『会いたいの?』


まるで幼児の様な


高い澄んだ声の主だ



「ええ、会いたいの、会いたいから、ここまで私は来たのよ」


私は小さな声で言う


『もっと、願って』


「え?」


『もっと願って。強く』


光の輪が切羽詰まった様に囁く


『願って、思いを強く持って、願って!』


「会いたい、……ううん。絶対に会いに行くの! 私の想いは、強い! 負けない!」


私は、大きな声で叫んだ!


『それでこそ、貴女だ……』


光の輪が消滅する……


鍵穴が


下に降りてきた




私は鍵を鍵穴に挿して


回す


運命の鍵が開く瞬間


風が強く吹いた


扉は開いた



「会いたかったー……!」


開いた扉の向こうに


貴方の大きなシルエットが見えた時


私は駆けだした


あなたの腕の中に……



こんなのもアリかな、と思って書きました。


ここまでお読み下さり、本当にありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[良い点] まるで長編作品のクライマックスのような展開と、神秘的な空気感が心地良かったです。 扉を開けるまでに様々な困難を乗り越えてきたのだろうなと想像が膨らみました。
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