そして新たなプロローグ・勇者は必要だったのか?
「世界を救う旅に、ぼくたち、必要だったのかな?」
町を歩けば勇者として称えられる名声を手に入れてしまい、面倒なことになっているアトリスは言う。
「しゅりるりの暇つぶしの遊び道具として、必要だったんじゃないの?」
お気に入りの紅茶を飲みながら、ありすはさらりと言う。
最近はゆっくりと自分の時間を過ごせるので、その優雅な午後を満喫しているようだ。
「ひどい」
「ひどい♪」
アトリスとしゅりるりは、同時に言った。
「わ、しゅりるり。帰ったんじゃないの?」
相変わらず神出鬼没。
「今度は何の用なのかしら?」
「ふふふ、基本的に暇なので、なんとなく来ただけだよ♪」
そしてまた、波乱の予感。
アトリスと、ありすと、しゅりるりの旅は、そう簡単に終わりそうにない。
登場人物紹介
★しゅりるり(暇人)★
武器を持てばピコピコハンマー、火の魔法を唱えればたいまつ、鞄の中には膨大な本。
まじめに戦えば最強、否、まじめじゃなくともある意味最強。
暇つぶしの「世界を救う旅」に出るための口実として、勇者と魔術師を探す。
★アトリス(勇者)★
勇者の血を引いているが、面倒くさがり。かわいいものが好き。ちょっと怖がり。
魔王を倒すために誕生日に旅立った。
しゅりるりに「君が勇者だ!」と言われ、流されるままに世界を救う。
★ありす(魔術師)★
出会ったころはまだ見習も同然の魔術師だった。
クールなのか、それとも諦めか、淡々と受け流す性格。パーティの突っ込み役。
しゅりるりに「君が魔術師だ!」と言われ、仲間に加わる。
★小悪魔(自称魔王)★
路地裏にいた魔物。
「冥土の土産」を贈りたくて仕方がなかった。
しかし、しゅりるりの鞄はいっぱいのため受取を拒否された。
★ラプタル(魔王四天王)★
怪しげな名古屋弁を使う、弓使いの魔物。
やっている悪事は小さいので、しゅりるりに「したっぱ」扱いされた。
★悪魔飴(魔王の手下)★
闇色の服を着た人型の魔物。口を開かなければ格好良い。
ネズミを2匹を懐に飼っている。あと鳩も。
高いところからよく落ちる。無果汁100%ジュースが好き。
★魔王城にいる魔物たち(魔王の手下)★
自由気ままな悪魔飴にいつも振り回されている。
★くぢらさん(普通のクジラ)★
背中に人を乗せて海を渡ります。
★レリナ(魔王四天王)★
とにかく美し過ぎる魔物。
男がとにかく好きで、アトリスが好みのタイプ。
この時のことは、とにかく触れてはならない出来事になった。特にアトリスの前では。
★アラシャ(魔王四天王)★
鼻歌を歌いながら穴を掘っている。
町を地盤沈下させ、滅ぼそうとしている。
しかし、しゅりるりの展開した魔法によって、志半ばで退場する。
★アンキ(かけだしの魔王)★
怪しいにも程がある集団のリーダー。
主な活動内容が畑のカボチャを盗むことのため、しゅりるりが「カボチャ団」と勝手に命名する。
★猫仮面(なかなかの魔王)★
仮面をつけ、影が揺らめいているだけの正体不明の造形をしている。
分身の術が得意な、なかなかな魔王。
珍しく悔いのない戦いをした魔王でもある。
★アネーハ(中級の魔王)★
今は布団を率いて、趣味の城作りに専念している。
魔王を倒すと崩壊する城は、このアネーハの作。
しゅりるりとは、手紙をやりとりする仲。
★狭間の龍(しゅりるりの友人)★
魔王城まで運んでくれた召喚獣。
いつでもどこでも呼べる便利な龍。
★邪狗(ラスボスの魔王)★
今まさに、世界制服をたくらむ魔王。
ラスボスにもかかわらず戦闘らしい戦闘もなく、退場となる。
★ヤミトカゲ(黒幕)★
邪狗に力を与えた黒幕。
普段は人型だが、正体を表すと闇色のトカゲになる。
最初は堅苦しく格好よく演説していたが、途中から意味不明になっていく。




