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ゴブリン・エフェクト  作者: 音井拓人
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序章 

人間なんて所詮、汚く醜い欲望の塊だ。


どんなに恋焦がれた思い人がいようが

それ以上の美女に言い寄られたら都合良く乗り換え


たとえ親の仇のように憎い相手であったしても

共通の敵が現れた途端に過去を棚上げし手を結ぶ


そして世界が平和になったらまた己が欲望に従い

謀略に計略、ありとあらゆる手段でその果てのない欲望に駆られくだらない人生を謳歌する


もう疲れた…人間と関わるのはよそう。


そんな奴らとは関わらないのが1番だ。


俺は何者でもない。


何者にも関わらない。


いや関わらせない。


何処にでもいて、気にも止まらず、歯牙にも掛けない

利用価値もなく、関わりたいとも思わない。


そう、『アレ』がいい。


『アレ』になればきっと薄汚い為政者も

意地汚い商人共も、欺瞞に満ちた王族も

俺に関わろうとしないだろう。


我が人生を変える為、編み出した秘術

小鬼効果【ゴブリン・エフェクト】

これで俺は、俺の人生を取り戻す!

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