後輩と遭遇
もんちゃんを持った僕と木田さんは、下駄箱に向かった。
木田さんの下駄箱に、もんちゃんを入れておくためだ。
「穴も空いてるし……大丈夫そうだね」
「うん。ごめんね。また迷惑かけちゃって」
「いや全然おっけーだよ」
木田さんの太もも触れたから余裕でおっけ……じゃなかった。とにかくおっけー。
「さて、問題はこれをどうやって閉めるかだな……」
「ガムテープ、持ってるよ」
「え、すごい準備いい」
「もしかしたら脱走するかもなって思ってたから。前もそうだったし。長沢くんに見られちゃった時」
「ああ、あの時も脱走して来たのか」
僕が木田さんの谷間を見ちゃった時ね。いや、谷間以外のことの方がメインなんだけど。そう考えながら、僕はもんちゃんを下駄箱の中に入れた。
「……とりあえず、貼るね」
「僕も手伝う」
「ありがとう……じゃあこっち持ってて」
「おお」
おっ。これが美少女との共同作業かと言われるものかな。
ガムテープを一緒に貼る。
わからん。引越し屋のバイトすることになったらそこに美少女がいたみたいな流れしか思いつかない。
まあいいや。
ぺたり。綺麗に貼れた。
「よし」
僕と木田さんが、改めてガムテープを貼った木田さんの下駄箱を眺めていると、
「あ、あああああ……! 先輩が、いじめをしています……先輩がよくないことを……」
授業中だというのに、僕の部活の後輩と遭遇。僕の部活は文芸部。
後輩の名前は藻葉みずう。
最後に「み」があれば、藻と葉っぱがたくさんある湖になったところだったが、一文字足りなかった残念。
そしてどうやら、この後輩は、僕が悪いことをしているところを見てしまったと思ってるみたいだ。




