幼馴染と遭遇
ああ……どうしよう……。
そうだ。僕体育の時に使うジャージ持ってたわ。でも男子高校生が着まくってるジャージなんて着たくないよな。
と思っていたら、木田さんは自分の鞄からジャージを取り出した。
当たり前だ。同じクラスなら、時間割も同じ。木田さんもジャージ持ってるわけだ。
「ごめんなさい長沢くん」
「え、いや、僕は何にも問題ないから……それよりも濡れてて大丈夫?」
「今日はそんなに寒くないしそれは大丈夫。じゃあ気を取り直していくね」
そう言うと木田さんは、今度はしっかりと砂場に向けて水道から水を飛ばした。
すると……砂場の一部が盛り上がり……。
こんにちは。モンゴリアンデスワームのもんちゃん。
もんちゃんは顔を出したままうねうねしている。
よし、捕まえよう、ほいっ。
僕はモンゴリアンデスワームをしっかりと掴んだ。手首より少し細いくらいの太さだ。
そして……やっぱりおとなしいぞ。
「長沢くん! すごい」
「え、僕のすごいのかな。モンゴリアンデスワームと仲良しかな」
「すごい……! 私、いつもここから連れて帰るのに十分はかかるよ」
「マジで?」
いやー。僕にそんな取り柄があったとは。いや、実は僕以外にもたくさんの人もできる可能性高いけど。
「ちょちょっ、耀?」
とその時。公園の入り口からいつもは毎朝聞きまくっている声がした。
「舞美⁈ うわ……どうしよう」
まずい。木田さんのモンゴリアンデスワームの件は秘密なのに。
これはバレる。僕の腕の中にはモンゴリアンデスワームがにょろにょろしてる。そして僕の隣には木田さんがいるんだから。
僕は木田さんの顔を見た。
可愛い顔に、あきらめが浮かんでいた。あきらめた美少女も可愛い。




