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砂場

僕たちはきっとまるで広大な砂漠に立ち尽くす探検隊のようだった。


 すごかった。すごいいた。


 あたりの砂からモンゴリアンデスワームが、まるで水族館のチンアナゴのごとく生えている。


 そしてそのモンゴリアンデスワームと一緒に自撮りしてSNSにあげてるっぽい人がいる。


 ちょこんと頭を出したモンゴリアンデスワームをなでなでしている人もいる。


 主に眼鏡をかけた若い男性からおじさんが多い印象。あとは親ときている小さな子供。


 ぴちぴちJKは、僕の周りの三人しかいなさそうだった。


「どうしよう……」


 砂場の入り口で、砂漠に取り残されたジリスのようになってる木田さんがつぶやいた。


「木田さんが入りづらかったら、僕ともんちゃんだけで参加するよ。この公園はサイクリングしたりボート漕いだりもできるし。あとで合流って感じで」


 僕がそう言うと、木田さんは僕を見つめて自分で決意を固めるように首を振った。


「大丈夫。私もんちゃんと参加するって決めたし」


 木田さんはもんちゃんのケージを持って砂場に一歩を踏み出した。


 その瞬間、砂場は結構ずぼっていくのか、木田さんがバランスを崩した。


 僕は慌てて木田さんの身体を支える。


 あ、腰に自然に手を回してしまった……。細いのに柔らかい腰で、ちょっと下はお尻ね。ごめん当たり前ね。


「……足くじいてはない? 木田さん?」


「……長沢くん」


 木田さんは僕と顔が近いまま赤くなっていた。


 そもそも砂場に入るだけで緊張していたのに、僕に抱かれている形になっているからだろう。


 僕は木田さんが足の位置を落ち着けるのを待ってから木田さんから手を離した。


 で、舞美と藻葉さんはどうしてるかってことなんだけど、モンゴリアンデスワームたくさんの空間にどん引きして、砂場の外にいる。服も汚れちゃいけなさそうだしまあしょうがないか。


 でも、舞美も藻葉さんも、実はモンゴリアンデスワーム好きなんじゃなかったっけ。


 そこは謎だが、とにかく、僕と木田さんはもう砂場に入ってしまった。


 ならばもう、もんちゃんが特に問題を起こしたりしないことを願って参加するしかない。


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