イベントのある砂の大広場へ
「新しい服を着た幼馴染はどーでしょう? 可愛い?」
「かわいいですか先輩?」
「かわいいよ。木田さんもかわいいよ」
「え、あのね、私は可愛くないよ……あんまり」
驚いたようにこちらを振り返る木田さんと、少し不機嫌な幼馴染と後輩。そして、電車の揺れに反応してるのか、ごそごそ音をたてるもんちゃん。
「ていうか二人は砂で汚れたらどうするの?」
「汚れません。私はあくまでイベント傍観者ですから」
「私もそう」
そんなこと言っちゃってなあ。本当は二人ともモンゴリアンデスワームがたくさん集まって戯れてる所見たいんでしょ。
まあいいや。確かにそんなに汚れないのかもしれないな。
僕自身、モンゴリアンデスワームのイベントについて全く想像つかないので、どのくらい汚れるもんなのかわかんないし。
一回乗り変えをしたものの、三十分かからずに会場の最寄駅に到着した。
駅から会場の公園までは、徒歩で十五分くらいかかるようだ。たぶん木々がたくさんある方向に進めば公園に着くんだろうな。かなり大きい公園だから間違いないと思う。
空気もどこか美味しい気もするし、気持ちよく歩けた。
「ちょっと緊張してきた。周りがマニアックな雰囲気の人ばかりだったらどうしよう」
公園の入り口に着くと、木田さんが少し不安そうにもんちゃんのケージの取っ手を握りしめた。
「大丈夫だよ。ほらここにマニアックな雰囲気の人が」
舞美が僕を示す。ごめんなさい。ラブコメラノベオタクで。
でも、藻葉さんだってかなり本の趣味はマニアックだし、あとそもそも今日来る人々はたぶんだいぶ別の方向でマニアックだからな。
うーんほんと、かなり変わった人が多そうだな。
でも、とにかく行ってみないとわからないことだし。
「とりあえず会場の砂の大広場に行こう」
「うん」
木田さんは頼もしそうに僕を見ていた。何も頼もしくないよ僕。ちょっともんちゃんと仲良しになれたかなってくらいだよ。
普段はちびっこ向けのお砂場イベント広場だけど、今回はモンゴリアンデスワームのイベントの会場となっている砂の大広場。
そこは一体、どんな雰囲気になっているのだろうか。




