モンゴルの砂漠
「私も行くよ」
「あそう、やっぱりそうか」
舞美と木田さんと僕の三人で、次の授業が行われる地理室に向かっている。
ちょうどいいタイミングそうだから、話してみた。
それにしてもほんとすごいな。
僕はさっきスマホで調べたことを思い出してみる。
何がすごいかというと、モンゴリアンデスワームのイベント、予想よりも規模が大きかった。
ここから少し電車を乗り継いで北に行ったところの記念公園。
そこに百人くらい集まるらしい。
一人最低一匹はモンゴリアンデスワームを飼っているはずなので、少なくとも百匹は集合確定。
やばい。
ていうかみんなエロいモンゴリアンデスワームで一斉に木田さんのところに殺到したらどうすんの?
ていう心配を僕はしてるっていうのに、木田さんと舞美は楽しそうになんかの芸能人の話をしていた。
うん、ラノベとかばっかり読んでると芸能人の話にはついていけないんだよな。
地理は偶然にも、東アジアあたりについての授業で、途中でモンゴルが登場。
教科書を見てみれば、放牧をしていて、ゲルに住んでいる人の写真と、その上に砂漠の写真があった。
ここに野生のモンゴリアンデスワームがいるんだよな……。すごいなあ。
と大砂漠の地下をうねうねするモンゴリアンデスワームを想像していたら、授業が終わった。
席を立ち上がろうとしたら、後ろの席の長宮が教科書を開いたまま話しかけてきた。忘れてる人がいると思うしここで言うけど、僕の苗字は長沢。だから出席番号が隣なのだ。
「ここのところ、木田さんとよくしゃべってるよな」
「え? ああー、それな」
木田さんがモンゴリアンデスワームを飼ってるのがバレるのは困る。
だからなぜ木田さんと話す機会が増えたかをそのまんま言うわけにはいかない。
「木田さんさ、今日地理の教科書のこのモンゴルのページすごい眺めてたんだよな。それがなんか気になって」
「授業中木田さんの様子見てたのかよ」
「いや、なんかほら、斜め左見ると目に入る。可愛いし」
「そうかいな」
ちなみに長宮の幼馴染もかなり可愛いんだけど。あ、悪いけど舞美も可愛いよ。もう全員可愛くておっけ。
「木田さん、モンゴルに行きたいのかなあ。なんでだろうな?」
「わかんないな」
僕は席を立ち上がった。
きっとモンゴリアンデスワームのことでも考えていたんだろう木田さんは。
それにしてもなるほど。木田さんは美少女だから注目されてるっていうのはあるんだな。それだと、今みたいにちょっとしたことが、モンゴリアンデスワームの件がバレることにつながるかもしれないってことだ。
気をつけていかないと。




