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舞美が来た

「それでね、このニューネッシーの正体はウバザメなんじゃないかって言われててね。でも、そうとも限らなくて……」


「なるほど」


 僕は木田さんと一時間ほど本を一緒に見続けた。木田さんが嬉しそうに内容について説明してくれる。これがきっと木田さんらしい木田さんで、だから、本当に可愛いと思った。


「ごめんね……私、説明多すぎだし、未確認生物なんてそんな話聞いても、面白くないよね……」


「そんなことないよ。僕は楽しいよ」


「ありがとう……。でも、こればっかりとあれだから、何か他の事……」


 木田さんは部屋を首をふりふりして見回す。


「あ、舞美ちゃんからなんか来てる」


 木田さんが、勉強机の上に置いてあった、画面が光っているスマホを手に取った。


「舞美からか」


「今から遊びに行っていい? ってきてる」


「おお」


「というか、もう家の前に着いてるみたい」


「行動速すぎるな。さすが舞美」


 おそらく舞美、僕が木田さんの家にいること知らないよな……。いろいろ言われそう。ブランコじゃなくて、次は何で攻撃されるんだ?


 僕がそう心配していると、木田さんは、


「ああ……もんちゃんのケージ隠さないと……」


 もんちゃんのケージをうんっ……と持ち上げていた。砂が結構入ってるから重いと思うけど、木田さん力持ちだな……。


「舞美は木田さんがもんちゃん飼ってるの知ってるから別にいいんじゃない?」」


「あそっか。いつも舞美ちゃんとか他の人が来るときは隠してたんだけど……」


「そういうことか、いつもの癖ってやつだね」


「うん……でも、心配だから、一応舞美ちゃんに、ほかの人が一緒じゃないか確認してみよう」


 木田さんはもんちゃんのケージを下ろして、スマホを操作した。


「舞美ちゃんひとりみたい」


「よかったな」


「でも、なんか、長沢くんもいるって言ったら、すごい怒ってるかもしれなくて……」


「ああ……予想通りだ……」


 なぜかあんまわかんないけど、そんな気がしたんだよな……。


 僕は鍵を開けるために部屋を出て行った木田さんを見送った。もうすぐ舞美が来る。


 でも、よくよく考えたら、何も怒られることないよな。別に友達の家に来てるだけなわけだし。何も問題ない。なぜ僕は恐れていたんだろう。堂々としよう堂々と。


 というわけで、僕はリラックスして自分のスマホをいじり、木田さんと舞美を待った。


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