木田さんとおやつあともんちゃんも
「クッキーおいしい! このなんて言うかわかんないお菓子も美味しい! ケーキうまい」
お菓子天国すぎて、モンゴリアンデスワームみたいな身体の形になってお菓子の中に潜ってるんじゃないかって気持ちになる。
「そんな大したことないし、ケーキは買ったやつだよ」
謙遜する木田さんも上品にケーキを口に運んでいる。いやまじでいいなこの雰囲気。
モンゴルの砂漠を彷彿させるもんちゃんのケージがなかったら、マジで夢だと思ってたかもしれない。
「ところで……」
「うん、どうした? 長沢くん」
「もんちゃんってなに食べるの?」
「お肉とか」
「肉食なんだ」
「うん。基本は」
なるほど。クッキーとかケーキを食べないのはそうだろうとは思っていたけど。お肉か。
「お肉っていうと……」
「結構何でも食べるよ。昨日は肉じゃがのお肉だけ食べた」
「そうなのかよ」
肉じゃがのお肉を味わっているもんちゃんを想像する……ができん。
「そうだ。もんちゃんもそろそろおやつにしようかな」
木田さんが立ち上がった。なにを取ってくるんだろう……と思ったら、ハムだった。
木田さんはハムを電車の切符くらいの大きさにちぎった。
そして、もんちゃんのケージの中の、小さなお皿に置いた。
もんちゃんはいつの間にか見えなくなっていた。おそらく砂に潜ったのだろう。
「これで、気づくの?」
「うん。すぐに。匂いに敏感みたいで……多分私のことも匂いでわかるんだと思う……」
確かにもんちゃんは視力は極端に弱そうだ。匂いで色々情報を得ているのだろう。
木田さんの匂いか……。なんかいい匂いがしそうだけどもんちゃんはどう思っているのだろうか……なんて考えてしまった。反省して僕も砂に潜ろうかな。
と思っていると、もんちゃんが顔を出した。
そしてにょろにょろとお皿まで移動して、ハムをむしゃむしゃ食べ始めた。
「ね、むしゃむしゃにょろにょろしてて可愛いでしょ」
「おお」
「あっ、可愛くはないよね、大して。ごめん」
「いや結構可愛いよ」
実際、動きに愛着がわく。
しかし、女の子の木田さんがこれを見て可愛いと思うというのが、意外だった。まあでもこうしてもんちゃんを飼ってるわけだし、本当にそう思ってるんだな。




