表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/57

準備

 狗藤組長から受けた仕事を成し遂げるため、アタシはこの園内へと忍び込んだ。あらかじめ組長からは聞いていたが、猿怒冷酸の構成員は園内にある事務所に集結しているようで、誰の姿も見当たらない。普段はゲートに2人、見張りがいるらしいが、今日は猿怒冷酸にとって大事なイベントがあるとかで、それすらもいなかった。そのイベントが一体どんなものなのか……。組長が言うには、年に1回の恒例行事らしいけど。「どんなイベントかは、見てからのお楽しみ」と無責任なことを言われただけで、その内容までは教えてもらえなかった。つくづくムカつく男だな。

 まぁ、あえて教えないくらいだから、仕事に支障を来すようなものではない、と思いたい。

 そう願いつつ、園内を走り抜け、猿怒冷酸の倉庫の前へ。電飾の明かりも届きにくいような、人目につかないところにある倉庫の鍵をピッキングして開ける。


「何か、めぼしいものは無いかな」


 あ、泥棒をしにきたわけじゃないからね。泥棒は犯罪だから、そんなことはしないよ。

 基本的にアタシは、武器を持ち歩かない。その場にあるものを拝借して仕事を行うことがほとんどだ。だから今日も、ここから使えそうなものを拝借していこうと思ったのだ……けれど……


 鉄パイプ鉄パイプ鉄パイプ鉄パイプ鉄パイプ鉄パイプ鉄パイプ鉄パイプ


 あれ。ここは資材置き場だったかな。鉄パイプしか見当たらないんだけれど。

 さすがに鉄パイプはちょっと。田舎のヤンキーみたいでカッコ悪いんだよな。他に何か――


 鉄パイプ鉄パイプ鉄パイプドンキの袋鉄パイプ鉄パイプ鉄パイプ鉄パイプ


 ん? 鉄パイプに埋もれているドンキの袋を発見。暗くてよく見えないが、中に何か入っているみたいだ。使えるものがあるかもしれない。

 ごそごそと中から物を取り出してみる。えーとなになに? やたら太いローソク――これは武器に使えるかもしれない――、おもちゃの手錠――構成員を拘束するのに使えるかな――、そしてムチ――構成員を痛めつけるのには丁度いいか――、あとは……服? 丈が短いような気がするけど……まぁ、着てきた服を汚さなくて済むから、このエナメル製の服も拝借するか。

 暗くてよく見えないから、どんな服かはあまり分からないが、とりあえず着替えてみよう。私服はドンキの袋に入れてっと。

 

「よし、準備万端だな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ