四か国会議の報告書(報告書 最終章)
私が白の王様に頼まれたのは他の三か国に手紙を送ることでした。急いだ方が良いとのことで。私が、王様への挨拶もせずに、急いで国を回って、白の国に戻ると白の国にも三通の手紙が届いていました。
我々が送った手紙も、届いた手紙の内容も同じものでした。つまり、四つの国の王様達は話し合いの場を望んだのでした。
その後、調整がされて。四つの国のちょうど境目にある森の中で、四か国の会議が開かれることが決まりました。
参加者は各国の王様と護衛として一名の兵士。そして、私でした。
鍵が始まって一時間が経過しました。テーブルには私のお提案で、それぞれの国が持ち寄ったお菓子とお茶が並んでいました。しかし―――。
「・・・あのー皆さん?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
しかし、始まってから会話どころか、発言は一度もなく。私は気まずさに耐えられなくなってきたのでした。
「・・・えーと。じゃあ今回の会議は中止と言うことで。解散でいいですか」
「なんでそうなるのだね!」
白の王様が言いました。
「そうだそうだ!」
黄の王様が同意しました。
「集まった意味がないでは無いか!!」
青の王様が怒鳴りました。
「君はせっかちすぎるのだ!」
赤の王様が叫びました。
「そ、そんなこと言われても」
私が悪いんですかこれ?
さらに白の王様が言います。
「そんなことだから、胸が成長せんのだ」
黄の王様が続きます。
「そうだそうだ!」
青の王様も続きました。
「その通りだ!」
赤の王様も続きます。
「まったくもってその通り!」
・・・どうしよう。訴えれば絶対勝てる。しかし、私のことを悪く言った流れで白の王様が口を開きました。
「わが国の外交員が迷惑をかけた。謝罪しよう。・・・さらに黄の国の王よ」
白の王様は黄の王様に向かって言いました。
「貴方には言わなければならない。我が国、白の国は黄の国に戦争を仕掛けようとしていた」
「・・・・・・」
黄の国の王様は黙って聞いていました。
「しかし、今はそのようなことは全く考えていない。黄の国が大切にしてきた動物、その毛が我々を救ってくれた。この場を借りて謝罪と礼を言いたい」
白の王様は頭を下げました。
「白の王よ。どうか頭を上げていただきたい。我が国には謝罪を受ける資格も、礼を言っていただく資格もない。我々も、青の国を攻めようとしていました」
黄の王様は青の国の王様に頭を下げました。
「しかし。そのようなことを考えていた我が国を救ったのは。他ならぬ、青の国の調味料だ。頭を下げなければいけないのは我が国です」
青の王様も頭を下げていました。
「わが国も同じだ。赤の国の植物に助けてもらった。しかし、我々は赤の国を攻めるために武器を作っていたのだ。罰を与えるというのであれば私に与えていただきたい」
赤の王様も同じです。
「白の国を攻めようとしたばかりでなく、外交員殿に対しても無礼を働いた。しかし、外交員殿のもたらした浄水器がわが国を救った。ありがとう」
―――そこから先は、スムーズに決まりました。それぞれの国が、現在国が抱える問題点を出し合い。解決しあうこと。今後は定期的に会議の場を設け国交を結ぶことを取り決めたのでした。
失われた国同士のつながり、国交が再び正常に結ばれた瞬間でした。
・・・・・・これが、私が外交員として、まとめさせていただいた報告書になります。季節の女王様はいなくなりましたが、国同士が助け合うことで国の危機は去ったのでした。ちなみに報告書の提出は二回目です。最初に出したものは自分を美化しすぎと四か国の王様全員からボツを喰らったのです。




