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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

振られた俺は翌日女になりました

作者: 有利

「ごめん、他に好きな人が出来たんだ」


放課後の帰り道。

そう言ってあいつは俺をふった。








***********



「うぅ…聞いてんのかよぅ~」


「聞いてるわよ」


本日、俺小沢和樹は恋人にふられました。

なんでも、俺じゃない人を好きになったんだとか。

その人のことが頭から離れないとかで?

あっさりと。

それはもうあっさりとふられましたとも!!

ぶざけんなよ!…と言いたい(泣)





そんな俺は今、親友の家に居る。

親友である黒崎真奈美という出るとこ出てて引っ込むとこは引っ込んでいるスタイル抜群な崇拝レベルの絶世の美少女は、幼馴染みという関係なので家がお隣さんなのだ!!

この時点で俺はこのリア充が!!と言われるかもしれない。


だが!

この幼馴染みに関してはあり得ないといえるだろう。

何せ、彼氏が恐ろしいほどのチート様(年上)なのである。

リア充が!!

つい先程までは俺もだったけどね!



俺はふられた。

中学一年の時から高校二年のまでの間、付き合っていた恋人に。

嘘だと言ってほしかった。

だけど、俺の家目前にして言われた言葉は嘘なんかじゃなく。

そのまま俺を通り越して帰っていった元恋人を呆然と見送った。

その後すぐ電話しても繋がることはなかった。

頭が働かないながらも、その足で真奈美の家のチャイムを鳴らして入れてもらった。

このまま家に帰るのが何となく嫌だったんだ。

過保護な両親とか、兄貴とか、姉貴とか、双子の弟妹とかに心配をかけてしまうであろうしな。

一応連絡はしてもらった。

しなくちゃ、捜索届け出されそうなので(過去に経験あり)。


その間、俺の涙が止まらなくて。

クールな真奈美が慌てたのを久しぶりに見たとか。

慌てすぎて転んだとか。

転んだ際俺にダイブしてきて真奈美の柔らかなあれに顔が埋もれたとか。

直後、背筋が寒くなったとか。

そんなこともあったが、自棄になった俺は真奈美の父自作の超アルコール度数が高い酒をがぶ飲みし、泥酔中の今に至る。


なんでまだ高校生の俺が酒飲めんだって?

俺の国の成人年齢が18歳だからだ。

俺は先月18歳になったので酒が飲めたりする。


因みに真奈美父には許可頂いてるんだからな!!

あの人怒らせたらめちゃくちゃ怖いんだよ!!

真奈美母と真奈美に群がる虫という名の男逹を倒すときのあの人は……。

ハッ!?

さ、寒気が……(ガクブル


いいいいいいや、そんなことより!!

なに脱線してんだよ、俺は!!

ふられたことだよ!!

今の問題は!!


「何がいけなかったのかな……………」


そう言って、机に突っ伏した。

俺に。

わが親愛なる親友兼幼馴染みさまは。








「性別じゃないの」









さっくりとトドメをさしてきた。










うわああああぁぁぁん!!


「知ってるよ!!どうせ男だよ!!恋人も男だよ!!」


俺は涙を溢れさせて更に机に突っ伏した。


そう。

俺の恋人は男だった。

俺は同姓愛者と呼ばれる存在である。

いいじゃないか!

たまたま、好きになったやつが男なだけだ!!


出会ったのは中学校の入学式。

式場の体育館に向かいたいのに迷っていた俺を案内してくれた。

その時の笑顔が忘れなくて。

その後、二年の先輩で生徒会副会長だったことを知ったり、生徒会会長に気に入られて強制的に生徒会補佐やらされたりして。

なんやかんやいろんな事件などを乗り越えて半年後、俺とあいつは結ばれた。

そして月日は経って。

今は高二。


つまり、約5年だよ!?

5年も付き合ってたんだぜ!?

なのに今さらなんなんだよ!!


しかもふったのはクリスマスイブ前日って!


なんなの?

そんなに俺を失望させたかったの?

もう、クリスマスプレゼント買ってたんですけど!!

俺の金返せ!!

この間までラブラブだったろーが!!

あのいちゃつきとかなんだったんだよ、コンチクショウ!!


あいつの好きな人。

実はその人物に予想はついているんだ。

俺と同じ時に生徒会会長に気に入られ入った女子生徒の皆森杏奈だろうと俺は確信している。


その確信はどこからきてるのかって?


あの女はいつも積極的にあいつへアピールしてたからな!!(他のやつらにもしてたけど)

あいつもさりげなく満更でもない顔してたからな!!


だから。

いつかはこうなるんじゃないかと思ってはいたけど。


あいつはいつも変わらず俺に構ってくれていたから。

どこかでそんなことはあり得ないんじゃないかとも思っていた。

一応恋人として頑張ってはいたのに。

毎日一緒に帰るとか、手作り弁当持っていって一緒に食べるとか、夜欠かさず電話もしくはメールするとか……。


「結局男同士じゃだめだっつーことなのかな…」


「そんなこと言ったら、世の同姓愛者に殺されるわよ」


スバッと言わないでください、真奈美様(泣)


「なに。あんた女になりたいの?」


女になる。


もし、それが可能ならなりたいと思った。

そうなれば、男を好きになっても問題ない気がして。

だから言ってしまったのだ。


「なれるなら、勿論なりたいさ」


突っ伏したまま確かに俺はそう言った。










「なら女にしてあげてもいいけど」







はい?







「だから、女になりたいんでしょう?なら女になればいいだけじゃない」


ナ ニ ヲ イ ッ テ イ ル ノ ダ ロ ウ カ。コ ノ オ サ ナ ナ ジ ミ サ マ ハ。


「何言ってんだ!?普通に無理だからね!?」


「ちょうど、ここに依頼で調合したばっかりの新薬があるのよね。で、調達した材料が余ってたから2個作ったのよ。因みにあんたが来るまでこれ作ってました。」


そう言ってコトリと置かれた1つの瓶。

それには、【性別逆転薬】と書かれていた。


ここで1つ俺達の世界について少し説明しよう。


俺達の世界の名はリシェル。

ここからは歴史書から引用させてもらうが、リシェルは5000年前までは地球と呼ばれていた。

地球では大人気だったとあるゲームがあった。

それはもう、やらなかった人が世界で1人もいないほどに。


しかしある日、事件が起きた。

世界人口の約3分の1の人達が消えてしまったのだ。


世界規模で足取りを探すも見つけることができずに月日は流れ、結局消えた人達が帰ってきたのは3年後のこと。

もっとも帰ってこなかった人もいたらしいけんだけどね。確か消えた人達のほぼ半数が帰ってこなかったとか。

帰ってきた人達が言うには。


「ゲームの中に囚われてそのゲームをクリアして帰れると思ったら、次はゲームによく似た異世界に飛ばされてそれもやっと終わらして帰って来れた」


とのことらしい。

もちろん当時の世界はその言葉を始めは信じなかった。

だけど消えた人達は異世界で身に付けたという技を使えることができ信じざるを得なかった。

その後消えた人達が普通の生活に戻れたか、というとそうじゃないのは世界名が変わったことを見るとお分かりだろう。


国々は彼らを戦力として見た。

まあ、今まで妄想などでしかあり得なかったこととかが実現するんだから分からなくもない。

戦力は多ければ多い程いいし、仲良くない国に戦力が居ては困る。


そして始まった争奪戦。


それはかつて無いほどの苛烈を極めた。

ありとあらゆるものは破壊され、消えた人達やその他の人達はみな死んでいき。

そして世界は文明の壊滅という滅びを迎えたのである。

その後に生き残った人々は細々と生き、新たな文明を築いた。


つまり、何が言いたいかというと。





この世界は小説とかでお約束なファンタジー。つまり、魔法があるのですよ!





ちなみに真奈美のジョブは魔女です。

魔女=薬作りと魔術のエキスパート、あとなんか本大好きそう。という発想が浮かぶ方が多いと思う(違うわ!っていう人はごめんなさい!殺さないでー)。


真奈美はまさにその通りで真奈美母と2人でよく薬を作っていたりする。

2人の作る薬は効力がすごいあって副作用が少ない。

なので各国の要人に依頼されたりしている。

真奈美はまだ学生なのでそれを理解した上でだけどね。


「いやぁ、あのガチホモ国王に感謝なさいよ。まさか、正妃(男)との子供が欲しいからと頼まれて作ってた【性別逆転薬】がこんなとこで役に立つなんてね」


………………なんかまったく嬉しくないのは何でだろう。


「で?女になるの?ならないの?材料の収集が意外と大変だからもう作る気あまり無いわよ?(まぁ、材料を集めるのが大変なだけで作らないとは言わないけどね)」


その時の俺は精一杯考えた。

男の癖に男を好きになるのは個人の自由だからいいだろう。

だけど、このリシェルの中でも俺達の国はあまり同姓愛を推奨していない。

つまり、同姓愛者には厳しいのである。

ホモ国王の国なら王妃が男だと言う事実を見るからに大推奨してるけどな。

だが、よそはよそうちはうち。という感じで俺達の国は厳しいのですよ。


それは4代前の国王がとある騎士を愛するがあまり自国を滅ぼしかけたという案外重い理由だったりするんだけども。


そうそう。

俺らは隠れて交際してました。

だって、ほら。

たった今述べたように厳しいから。


だから、もし女になればこの国でも堂々と交際できるんじゃないかとか思った。

あいつだって、男の俺が駄目になったから女であるあの女の所にいったのかと思ったんだ。




だから言ってしまった。




後に多大なる後悔をすることになる言葉を。










「女になれるならなってやらああぁぁ!!」










ごきゅ。

っと真奈美製作の薬を一気飲みした。









「……………特に体に変化ないぞ?」


そう言う俺に真奈美は呆れポカッと殴ってきた。


「そんな早くに効果あるわけ無いでしょ。いい?効果が出るのは夜中よ。体のホルモンバランスを強制的に変えるんだから痛みが酷くなるのは分かるでしょ。だから、なるべく痛みがないように調整してたら緩やかに変化する効果になったの。これでも、いろいろ考えたのよ?」


俺にはよく分からないがとりあえず大変なのは分かった。

俺にとっても痛いのはやだし。


その後、副作用により寝てしまった俺は知らない。

我が家の家族が俺を引き取りに来た際に真奈美から話を聞き、静かにぶちギレていたことを。

女になることとなった俺のことを大層喜び、後に服等諸々を女性陣主導で買い漁ったことを。

一夜にして近隣の服屋からほぼ全ての女性服が消えたことにより後に女性服消失伝説が語り継がれることとなることを。


そして俺は後々ものすごく後悔することになったのであった。



***********


「…………う~ん」


がばり。


只今こんにちは。

俺は今起きました。

そして昨日の出来事を走馬灯のように思い出しました。


なので、下を見てみる。





………………………わぁい。





お椀のようなまぁるいお山が二つついてるー(遠い目)

さらに下も見てみるけど、やっぱりない男の証。


そして俺は男から女になった。

とりあえず昨日の俺を殴りたい。

もう本当に殴りたい。


そして思い出した。

家族に何て言おう!?


理由を言うのはなんか嫌だし、もやっとするし。

かといって言わないなら何て言うか悩「かずちゃーん!起きたー?」ぎゃ―――――――――!?


「姉貴達!?なにいきなり部屋入ってくんだにゃ!?」


NO!驚きすぎて噛んだー‼

恥ずか死ねる!


「やだー!お兄ちゃん可愛い!あれ、でももうお姉ちゃんか!」


「そうだね。もう姉さんだね。それにしても本当に可愛いなぁ…。食べたいくらいに」


「和人駄目。俺が食べる」


「なに言ってるの和哉!二人とも駄目に決まってるでしょ!兄弟なんだから!あ、今は兄妹と姉弟か。春香!私達で守るわよ‼」


「もちろんだよ‼春菜お姉ちゃん」


いっぺんに喋りすぎー‼

誰がいつ喋ったか分からん‼

……………………ん?


ナ ン  デ シ ッ テ ル ノ カ ナ ! ?


俺昨日言ってないよね!?

何時帰ってきたかも知らないけど‼


ま、まさか真奈美の野郎…!


『話は真奈美ちゃんから聞いてるよ。全て…ね』


ひいいいいいぃぃぃぃ!!!


四人の顔が恐い((( ;゜Д゜)))!


「お姉ちゃん、お母さんとお父さんも下で待ってるよ…?」


「あれはかつてない程の般若だった。覚悟した方がいいと思う、姉さん」

なにそれ!もう逃げたい!

今から時間巻き戻して過去の俺殴りたい‼

あと、真奈美の野郎ー!バカー!あとで蓮司さん(チート年上彼氏様)けしかけてやるー‼


その瞬間、俺の元に一通の手紙が落ちる。

そこには。


《蓮司には昨日すでにお仕置き食らったわ‼これ以上食らってたまるか‼けしかけたら後で呪うわよ》


……………………………………。

なんか、ごめん。

昨日のダイブの事だよね(汗)


俺はなぜか無性に真奈美の部屋へ合掌を向けたくなった。


その後両親を何とか宥め、兄弟姉妹を宥めたのだった。


が。


なぜか今。

女の制服を着せられています。

あれぃ?


「いや、俺男だよ!?」


「今はもう女じゃない」


いやそうだけど!?

16年間男として生きてきたんだけど!?

「戸籍の性別はあとで変えておくわ。取り上えず春菜の制服を使ってね。とっておいて良かったわー」


「ほんとになー。和樹、可愛いぞ」


ニコニコと微笑む父さんと母さん。

順応はえぇ!


「いやいやいや!真奈美が性転換薬合計3個作ってたよね!?1個はあのリゼン王のだけどあともう1個残ってるよね!?」


「最後の1個も渡したわよ?ホモ国王に」


ひょこっとリビングの扉から現れる真奈美に俺はなに!?と掴みかかる。


「なぜ!?」


「ホモ国王が宰相にもあげたいそうだから。あそこ宰相も妻男だったし」


なん…だと…。

俺の心は絶望にそまる。

はっ!

しかし希望まだあ「あんた、天族の羽と淫魔の牙取ってこれるの?」絶対無理(ヾノ・∀・`)!

つか、あのリゼン王なんちゅうもん取ってんだ!

天族=天使なんですけど!?


「まぁ、まだ材料に白竜の鱗とかまだまだあるし、あんたじゃ無理ね」


「仰る通りで…」

うわーん!

女として生きてくしかねぇじゃん‼

昨日の俺のバカー!


「もう時間ないし取り合えず学校行きましょ。説明は私が何とかするから」


「ゔゔっ…。真奈美ー(泣)」


俺は今、ドナドナされていく動物達と小説の人達の気持ちを理解したよ…。


「よう!おは…かかかかかかか和樹!?」


家を出て数分。

俺達はもう一人の親友に出会った。


そいつの名は峰岸透。

スポーツマンなイケメン野郎である。

ちなみに職業は勇者。


イケメン滅べ!

フツメン(家族全員美形)の俺に謝れ!

いや、それよりも。


「よう…透…。俺、女になっちまったぜ…」


俺はしょんぼりしながら告げる。

そんな俺に対して奴は。


「あ、いや、あの、えっと、か、可愛い…じゃなくて!」


「誰が可愛いだゴラァ!」


こいつなに言ってんだ!?

俺が可愛いとか馬鹿か!

どうせフツメンの俺が女になったってフツメンに決まってんだろーが!


「あんた、鏡見てないのね…(今は凄い可愛いのに)」


「だって起きてから家族宥めてたから」


「すごく理解」


「いや、つーかなんで!?和樹本当は女だったの!?」


「ンな訳あるかー!」


なんなのこいつ!?

本当になに言ってんだ!?


ドン引きの俺を放っといて説明する真奈美。

あっ。ちょっと待て!

そこまで説明すんな!


え?

こいつも親友なんだからいいだろ?

いや、そうだけど。

こいつには彼氏の事も言ってたけど。


歩きながら説明していくうちにどんどん顔が険しくなる透に俺はドキマギしてしまう。

こいつ、怒るとガチで恐いんです。


「へぇ…。あの副会長が、ねぇ?」


ニコニコニコニコ。の擬音の裏に。

ゴゴゴゴゴゴゴッっ擬音が含まれてるー!?

恐いわ!


「………………………あいつ、僕がやっと認められたと思ったら。殺す」


ん?

小さくて聞き取れないな。


「なんか言ったか?」


「ううん?なにも?」


?なんなんだ?

まぁ、いっか!

そう考えてなにも言わなかった俺は気づかなかった。


「………相変わらず変に鈍感なんだから」


そう言って真奈美が溜め息をついていたことを。

そして。


「透。あんたの為にも和樹を女にしてあげたんだから…。頑張らないと許さないわよ」


ボソリと透に言っていたことを。

言われた透も決意を秘めて頷いていたことを。


俺は全く気づかなかったのであった。


そして3人で着いた学校。

校門にはざわめく生徒で埋め尽くされていた。


「なんだ?なにがあった?」


透が近くにいたクラスメイトに話しかける。

クラスメイトは透と気付くとああと答えた。


「見てみろよ。あれ。あのぶりっ子を生徒会達が奪い合ってんの。こんな朝から。生徒会も落ちたもんだよなぁ」


生徒会。

その言葉についビクッとなってしまった。

そんな俺の様子に透と真奈美は目を細め俺に寄り添う。


俺に気付いたらしいクラスメイトは目を見張った。


「あれ?和樹は?つか、その美少女は?」


『和樹だけど』


あ、こら!

いきなり言わなくても!


「えええええええええええ!?和樹!?」


ですよねー。

男のはずの俺がいきなり女になってたら驚くよなー。

例え普通の女子でもなー。

でもそんな大声出すことなくね?


さすがの大絶叫に振り向く回りの生徒達は俺を見て同じく目を見張る。


「え、小沢?まじで?」


「うそ!?何があったの!?」


ざわめく生徒にやっちまったと顔をしたクラスメイトは顔の前に手を合わせた。

仕方ないのでいーよ別にと言っておく。


そんな時生徒が割れ先程の騒ぎの中心だった奴等が現れた。


それはつまり生徒会達だ。

そして、やっぱりあの女もいた。


「え、和樹…?」


そして、元彼氏も。


「まぁ、驚くのも仕方ないけど。あんたが和樹の名前呼ばないでくれる?虫酸が走るわ」


真奈美は俺の前に出て視界を遮る。

透は俺を抱き寄せた。

二人の優しさについ目が霞みかける。

やっぱこいつらいいやつなんだよなぁ。


「和樹が女になってる、だと…!?」


「「えー、うっそー!スゲー可愛くなってるー!あんなブッサイクだったのにー!」」


「…………………!?」


「わぁ、これだとちょっとそそるねぇ」


他の生徒会役員どもも色々と言ってきた。

それに対して2人の機嫌が急降下していく。

あ、顔がどんどん無表情に(汗)


「行こうか、2人とも」


「そうね、不愉快だわ」


「え!?あ、お、おう?」


俺は2人と共に歩み始める。

そんな俺達を止めたのは生徒会副会長だった。

「和樹っ!お前そんなに僕のことをっ…」


『ねぇーわ!この浮気野郎!』


駆け寄ろうとした副会長を蹴り飛ばす2人。


え?いいの!?

こいつ生徒会副会長だよ!?


「ふぅ。つまらぬものを蹴ってしまったわね」


「全くだ」


2人は爽やかに言い放つ。

えっと。どうしよう!?

俺にはもう理解が追いつかないや!


すたすたと去っていく2人に引きずられながら入ってく俺は知らなかった。


俺の女姿が実は副会長のドストライクな容姿だったことを。


そして、再度俺にアタックしてくることになる。


しかしそんなことは本気だした透にドキドキすることになる俺には些細なことになっていくのだった。


つか、俺知らないことと気づかないこと多すぎたろ!?


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