2度目の転生とアレイヤードの世界
0時に投稿するつもりが、携帯ゲームをしながらしてたら遅くなりました@@;
※11/18:サブタイトルを変更
マルスの告白から夜が明けた次の日、マルスは自らのベッドで目を覚ます。そして、マルスの横には幸せそうな笑みを浮かべつつ寝ている空がいる。昨晩、空とマルスは実の兄妹でありながら愛し合った。一言でいうのであれば「昨晩はお楽しみでしたね」である。空としてはマルスがいなくなることは非常に悲しい事ではあるが、こうして愛し合えたので悔いは残っていなかった。後は見送る、そんな感じである。
マルスは目を覚ました後はひたすらタブレットPCにデータを入れる作業を行う。本日の17時に転生を行うマルスと華凜はそれまでに様々な事を行った。まず2人は、親友である真、高志、美亜に対して手紙を残した。と言っても、内容としてはいなくなるけど、悲しまないでと言った具合である。マルスは手紙を書き終えた後は朝同様にタブレットPCにひたすらデータ入力、華凜は両親との別れを惜しみつつも、家族水入らずの時間を過ごした。
そんなこんながありながらも時は進み、気が付けばタイムリミットの17時を時計の針が指し示した。マルスは死ぬ気でデータ入力を終わらせ、華凜は両親との別れを惜しみつつもマルスの家にやって来た。
「それじゃあ始めるかの。華凜、本当に良いのか?」
「うん。曇、来世でも私達愛し合おうね」
「もちろんじゃ。それじゃあ、少し待ってくれるかの?描写魔法の準備をするのじゃ」
そう言ってマルスは華凜の足元に幾何学的な謎の文字を書き始め、それに様々な図形を書き始めた。内容としてはアレイヤードへと転生させる魔法であるが、少しばかり華凜の魔法陣には細工をしている。まず、確実ではないがマルスの近くへと転生する効果を持たせ、さらに魔法の発動と共に眠るように死ぬような魔法を付け加えている。マルスが魔方陣を書き始めて約5分、ようやく異世界転移の術式を書き終えたマルスは残った魔力の8割を注ぎ込んで魔法を発動させる。それにより、魔方陣はチョークで描いたにもかかわらず、発光を始める。その光が収まる前にマルスは華凜に告げた。
「華凜、向こうの世界での」
「曇……私、曇の事いつまでも愛し続けるよ」
そう言ってキスをする2人。唇と唇を合わせるだけのキスであるが見ているお互いの両親と空は体がカーッと熱くなってしまった。そして、キスを終えると同時にマルスは光の粒子へと変換されていく。
「おにぃちゃん、おにぃちゃん」
空が泣きながらマルスに呼びかける。現在マルスは首から下が全て光の粒子へとなった状態である。そんなマルスは空の声を聞くとともに、ニコリと笑みを浮かべつつ空を見つめる。それからすぐに、マルスは体の全てが光の粒子となって、天へと昇っていく。同刻、華凜はと言うと、キスを終えると共にマルスの後を追うように眠るように床へと横たわり、まぶたを閉じた。華凜の両親は泣きながら華凜を見送った。
白鷺曇、黒羽華凜。この地球におけるあまりにも短い約16年という人生に幕を下ろした。
□■◆◆■□
マルスは地球での人生を終えて目を覚ますと、地球の頃のように辺りが真っ暗で尚且つ体が動かしにくい。どうやら、魔法はしっかりと発動しどこぞの世界の誰かの子宮の中という事が判明した。マルスは再び暇な時間の訪れか……と内心考え、今までの地球での暮らしの日々を思い返していた。
思い返していると、だんだんと眠気が襲って来た為、素直に受け入れマルスは再び眠りについた。
□■◆Side of ????◆■□
現在私はお腹の中に子を宿している。3人目の子供だ。今まで男の子が1人、女の子が1人を産み落とした。今度は男の子なのかな?女の子なのかな?楽しみで仕方なかった。ちなみに、男の子であれば魔法をしっかりと学んで欲しいので、過去の偉人から『マルス』と名付ける事にして、女の子であれば私の名前を少しもじって『パリス』と名付ける予定である。
しかし、今回の子供は今までと違い子宮の中でほとんど動かない。先程少し動いたかと思うと再び動かなくなった。本当に大丈夫なのかな?心配ではあるが、今までの経験から私は絶対に元気な子供を産む自信がある。家を継ぐことは出来ないが、生まれてくる子には男であれ女であれ自由に過ごして欲しい。それが私の願望だ。うーん、早く生まれないかな?
□■◆Side of ???? End◆■□
眠りから覚めたマルスはいつもとの違いを感じていた。そう、動いているのである。とうとうマルスはこの世界へと羽ばたくことが出来る、未知との遭遇に興奮しっぱなしであった。しかしながら、今回は前回のように呼吸を忘れまいと考えている。そして、もう少しで出れると言うところで懐かしい感覚を体験する。そう、魔法である。現在母体に対して回復魔法が行われているのである。
回復魔法とは光属性に部類される魔法で、その名の通り様々な異常や怪我を治したり出来る覚えておいて損の無い魔法である。
さて、そんな回復魔法が存在しているという事は、この世界には少なくとも魔法が存在していることが判明した。これでマルスは地球にて学んだ知識を生かすことが出来ると内心大喜びである。喜びも束の間、ついにマルスは子宮の外に出ることが出来た。そこで見た世界は木材らしき壁の少し薄暗い部屋であった。
「ようやく生まれたわ……男の子なのね。それじゃ、名前はマルス。マルス・シューゲンよ」
母親らしき人物がマルスの名前を告げる。マルス・シューゲン。どうやらこの世界におけるマルスの名前らしい。
(ふむ……この世界の言葉がわかる観点からどうやら無事にアレイヤードの世界に帰ってこれたらしい。それにしても、再び旧姓のマルスを名乗ることになるとは……これも運命かの?)
そんな事を考えていたマルスであったが、産声を上げなかったせいか、再び背中を叩かれた。咳をしつつも、泣くことを忘れていたマルスが泣きだし、母親はそれを見つつ笑みを浮かべた。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
今回からアレイヤード編です。
ようやく主人公最強タグのきっとを外せる・・・・かもしれない(笑)