告白
様々な要因で投稿が遅れて申し訳ないですorz
サブタイトルだけを見れば完全に恋愛小説をイメージするのは作者だけでしょうか?笑
マルスは今自宅のリビングにいた。そこにはマルスの両親、妹、華凜、華凜の両親が勢ぞろいしていた。華凜の両親に関しては華凜に頼んで呼んでもらったのである。
「曇、皆集まって貰ったよ。さっきのあれ、説明してくれるよね?」
「ねぇ、華凜。あれって何?」
華凜の母親が華凜に尋ねる。
「あ、私も気になります。華凜おねぇちゃん、あれってなんなのー?」
マルスの妹である空が尋ねる。それから華凜はマルスといつものようにラブラブと学校から帰宅していると、マルスの右手の指が光の粒子に変わっていた事をこの場の全員に説明した。それから全員マルスを見るも、マルスの右手はしっかりと存在していた。華凜も含めて全員の頭上に『?』が浮かび上がっている。
「ふむ、この場の皆には説明しようかの。一部わしの憶測も交じっておるが聞いて貰えると有難いのじゃ」
それからマルスは自分の正体、つまりは異世界アレイヤードから異世界へと干渉する術式を用いてこの世界へとやって来たことから説明を始めた。証拠がてら、マルスは簡単な球体を作り上げる魔法を使用して魔法の存在を説明した。目の前でTHEファンタジーな行為を目の当たりにしたマルス以外の皆の顔は驚愕に染められた。彼女である華凜でさえ口がポカーンと開いている。
魔法の説明を終えたマルスは、この世界へとやって来た目的、つまりは別の世界にて知識を学び、自らの魔法を発展させようと考えていることを説明した。目的を聞いた空は急にマルスがラノベや漫画、ネット小説を読み漁りだしたことに納得がいく表情を浮かべた。妹ながら素晴らしい頭の回転を発揮した空をマルスは子供の頃のように頭を撫でた。それを見た華凜が内心羨ましがっていたのは秘密である。
そして、目的の説明を終えたマルスは今度は現状について説明した。まず、現在闇魔法と光魔法を合わせて作り上げた幻術により手の粒子化を隠していたことを暴露した。魔法を解除するとマルスの右肩から先が完全になくなっていた。そして、マルスはこの粒子化が後2日ほどで完了する事を告げた。ちなみに、この粒子化の原因をマルスは保有魔力が関係しているのではという結論を付けていた。つまり、マルスの魔力が尽きると、マルスはこの世界から存在が消え、再びアレイヤードの世界へと戻ることが出来ると言うわけである。この事を聞いた華凜は予想にはしていたが、爆弾を投下した。
「ねぇ、曇。私もアレイヤードに連れて行って」
その華凜の発言を聞いて華凜の両親は驚愕の声を上げる。様々な異論反論を言うが全てを華凜の「ごめんね」と言う一事で両親は渋々諦める事にした。普段の華凜からは想像できないような低い音程のごめんねと言う言葉、両親であれば何が何でも反対しそうであるが、考えても見て欲しい。普段は明るく真面目で自慢の子供が、突如低い音程でごめんねの一言、両親としては納得いかないが理解はできる。この子は本気だと、今の華凜には何を言っても無駄だっと。
それぞれの両親、マルスの両親からすれば、マルス事曇がいなくなることは是が非でも止めたい。しかしながら、どうしようもないと言うのが現実である。マルス自身が言った魔力と言う謎の物体、ファンタジー世界での定番であるが、その謎の物体を現代の医学が理解できるかと言うと不可能であると言い切れる。むしろ、病院に行っても一蹴りされるか、残り少ない日数を調査と言う名の都合の良いモルモットになるのが落ちである。なので、マルスの両親としては八方ふさがりの諦めると言う選択肢しか残っていなかった。
華凜の両親は自らの自慢の1人だけの娘がいなくなることはいかなる手段を講じても止めたい所である。だが、内心理解はしている。無駄であると。両親と言う今まで一番長く接してきていたからこそ分かる、覚悟が本気であり、尚且つ揺らがないと。何故なのか、それは普段の華凜とマルスの事を華凜から聞いているからである。両親だからこそ華凜がマルスに抱いている想いは正確ではないにしろある程度は理解できている。そのためか、諦めるしかないのが現状である。逆に今華凜とマルスを引き裂くような事になれば華凜は迷わずマルスの後を追って自害の道を選ぶことを認めたくはないが理解してしまった。
これらの要素から、華凜の両親は華凜を失ってしまうと言う悲しみに飲まれつつも、両親であるがゆえに娘の幸せを願う道、つまりはマルスに対して全てを託すしか道が残されていなかった。マルスがいなくなることが確定した今、華凜は後を追う。このまま何もなく華凜が死んでしまっては両親としては悔いしか残らない。それならば、娘が幸せになる可能性がある異世界への転移を認めざるを得ない。
マルス及び華凜の両親が内心で諦めを決意し悲しみに浸かっていた所に、この場にいる全員の度肝を抜く発言が飛んできた。妹の空までも同じことを言い出したのである。ちなみに、空は現在進行形で超絶ブラコン妹である。空は周囲にこの超絶ブラコンを隠しており、マルスの彼女の華凜でさえ空のブラコンには気が付かなかったほどである。そんな空の発言を聞いた両親及びマルスは驚きを隠せなかった。
「ふむ……色々と驚かされたが、残念なことにわしの残存魔力を考えれば1人に対して転生の魔法を掛ける事がやっとじゃの。そして、その代償に、わしが亜空間倉庫にて持って行こうと思っていた数多の書類や書物が持って行くことが出来なくなったの。持って行けるとしても精々タブレットPC2つほどじゃな……うーむ……」
「そっか……私か華凜おねぇちゃんだけか……だったら、私は華凜おねぇちゃんにその役を譲るよ。その代わり、おにぃちゃんに頼みごとしても良い?」
「空ちゃん……ありがとぅ」
「そうか……うむ、わしに聞ける範囲じゃったら空のいう事は何でも聞くぞ」
涙を流しつつ空にお礼を言う華凜と空の潔さに感心しつついう事を聞こうと決心したマルス。しかしながら、空はここで華凜でさえ予想だにしなかった爆弾を投下する。
「おにぃちゃん、私と子作りして」
空が投下した爆弾、つまりはマルスと空が実の兄妹でありながらマルスが空の初めてを貰いつつ、尚且つ中に出すと言うわけである。華凜でさえ初めてを貰って程度は予想できたが、流石に空の発言には驚きを隠せなかった。そして、マルスの両親はと言うと空のあまりの発言に完全に放心状態である。また、華凜の両親はと言うと目の前で繰り広げられている事に頭が着いて来ていない状態であった。
「ちょっと待って……空ちゃん、本気なの?」
「うん。ごめんね、華凜おねぇちゃん……でも、私おにぃちゃんの子供が欲しいの。私の初めてを奪ってもらって尚且つ中に欲しいの。明日からが危険日だけど、今日でも運が良ければなんとかなるよね」
マルスや華凜、両親が思ってた以上に空はとんでもない子であった。とりあえず、空の事は夜にやるとして、マルスは急遽タブレットPCを2台購入し、その中に持って行く予定であった書物やネット記事、書類を自分でさらにまとめて、それらをタブレットPCにデータとして入れ込んだ。このままでは、アレイヤードで使う事は出来ないが、そこはマルスがタブレットPCを魔改造してどうにかする予定である。これを聞いた華凜は「流石ファンタジー……」と呟いたのはまた別の話である。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
この話は本来のプロットと少しずれた話になっています。なんというか、書いていて暴走してしまいました(笑)本来のプロットであれば空は泣きながら兄であるマルスと姉的存在である華凜を見送る予定だったのですが、突如このような事になってしまいました。後悔?ナニソレオイシイノ?と言いつつも、内心、反省している作者です。
こんなノリで少しプロットとずれてしまうような作者ですが、今後も温かい目で見守って頂けると有難いです。そして、プロットと少しずれたため、話に個人的に少し違和感を感じます。そのため、後日この話を一部書き換える恐れがあります。その点は御了承頂けると有難いです。
追記:感想にはしっかりと目を通しています。こんな拙作でありながらも感想を下さる読者には感謝あるのみです。ありがとうございます!
さらに追記:次回よりアレイヤード編へと移ります。
さらのさらに追記:感想にて指摘を受けて描写を色々と付け加えました。主にマルスと華凜の両親の心情に関する描写が付け加えられました。少し説得力不足かもしれませんが、少しづつ違和感を無くして尚且つ説得力のある物になればなと思います。現状の作者の全力ではこの程度が限界ですorz