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夢奏の章《二人の世界が奏でる夢》
――夢を見ていた。
いつか、本当の意味で生まれる時のことを夢見ていた。
いつか、広い世界の中で幸せに抱かれて、君と共に過ごす日々を静かに、熱く焦がれて夢見ていた。
――夢を見ていた。
いつか、誰かが傍にいてくれる時のことを夢見ていた。
いつか、あなたの傍で希望に抱かれて、あなたと共に生きる未来を、その夢幻を深く、愛おしく思いながら夢見ていた。
――だから、俺と君は……
――だから、あなたと私は……
――約束の場所で、運命の出逢いを待っている。